日本の働き方が、いよいよ大きな転換期を迎えようとしています。国内最大級の規模を誇るNTTグループが、2020年4月1日より非正規社員の手当を正社員と同じ基準で支給することを決定いたしました。これまで雇用形態の違いによって生じていた待遇の格差を解消するための、非常に画期的な試みとして世間の注目を集めています。インターネット上のSNSでも「ついに大手が動き出した」「自分の会社も追随してほしい」といった、期待と好意的な声が数多く寄せられており、関心の高さがうかがえます。
今回の見直しの背景には、2020年4月から順次導入される「同一労働同一賃金」への法的な対応があります。この専門用語は、同じ仕事に従事している性質の労働者であれば、正社員か非正規社員かという雇用の枠組みに関わらず、同等の賃金や待遇を支払うべきであるという極めて公平な考え方を指すものです。企業にとっては、これまでの慣例を打破する大きな改革が求められる制度であり、NTTはこの課題にいち早く正面から向き合ったと言えるでしょう。
手当の拡充だけではない!休暇制度の平等化と労組の次なる一手
具体的な変更点としては、深夜の勤務シフト変更時に支払われる手当や、災害時の復旧作業に伴う特殊な手当などが、4月から全組合員へ一律で支給される形になります。さらに、2019年7月からは慶弔休暇なども非正規社員が取得できるよう、すでに環境整備が進められてきました。こうした一連の待遇改善は、2019年の春季労使交渉から年間を通じて労使間でじっくりと議論を重ね、2019年末にようやく合意に至った努力の結晶なのです。
さらに、傘下に約15万1000人もの組合員を抱えるNTT労働組合は、2020年の春季労使交渉において、全組合員の年収を2%程度引き上げるよう要求する方針を固めました。正社員は基本給を一斉に底上げする「ベースアップ(ベア)」として月額6000円相当を、契約社員やシニア雇用といった3万人強の非正規社員についても年収ベースで2%の改善を求めていく構えです。働くすべての人が報われる社会に向けて、この動きは大きな一歩となるはずです。
筆者の私見といたしましては、今回のNTTの決断は、単なる法令遵守に留まらず、労働者全体のモチベーションを向上させる素晴らしい先進事例だと確信しております。正社員と非正規社員の壁を取り払うことは、企業の持続的な成長や優秀な人材の確保にも直結するに違いありません。今回のNTT労組による力強い要求が呼び水となり、日本の多くの企業へこの温かい波が波及し、労働環境全体が底上げされることを切に願うばかりです。
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