【外食産業の未来】イーストン大山社長に聞く!北海道食材の「6次産業化」と生産者連携がもたらす新たな価値とは?

消費税率引き上げの波が押し寄せる中、外食業界は今、大きな転換期を迎えています。客単価が3000円前後の、私たちの日常に身近な飲食店ほど深刻な影響を受けており、消費者の財布の紐が固くなっているのが現状です。そんな逆境を跳ね返すべく、北海道を拠点に展開する株式会社イーストンの大山泰正社長は、地域の素晴らしい食材を日常の外食に融合させる取り組みに情熱を注いでいます。SNSでも「北海道の食材は応援したい」「地元の美味しいものが安定的にお店で食べられるのは嬉しい」といった期待の声が多数寄せられています。

大山社長は、まだ全国に広く知られていない魅力的な地域食材を掘り起こし、安心安全な形で届けることが地元の外食企業としての使命だと熱く語ります。その具体的なアクションとして、2019年11月に一般社団法人日本フードサービス協会(JF)の北海道支部が主催した産地見学会が挙げられます。この見学会には約20社もの企業が参加し、従来のイメージで注目されがちな十勝エリアだけでなく、石狩や空知といった地域の生産現場を直接巡る貴重な機会となりました。

この取り組みの本質は、単なるビジネスの商談成立だけではありません。生産者と外食企業が直接顔を合わせることで、お互いの心理的距離がグッと縮まることに大きな意味があります。例えば、飲食店側が「出荷時にあらかじめ食材をカットしてくれた方が扱いやすい」と伝えることで、生産者側も外食ニーズに気づくことができます。このように、双方が抱える課題や本音を共有できる壁のない関係性こそが、これからの食の未来を支える強固な基盤になるでしょう。

日本の外食産業における大きな課題として、労働生産性の低さに伴う「メニュー単価の低さ」が挙げられます。労働生産性とは、従業員1人あたりがどれだけの成果や利益を生み出したかを示す指標のことです。大山社長はこの状況に対し、知恵を絞って付加価値を高め、適正な価格設定へシフトしていく必要性を訴えています。この「付加価値」を高めるための切り札こそが、生産者と深く連携し、食材そのもののブランド力を高める戦略なのです。

同社が特に力を入れているのが、養鶏場の事業を譲り受ける形で進めている「6次産業化」への挑戦です。6次産業化とは、農林漁業者(1次産業)が食品加工(2次産業)や流通・販売(3次産業)までを一体的に手がけ、新たな価値を生み出す経営手法を指します。外食企業としてのノウハウを存分に活かし、生産者と共に理想の卵を追求しながら、その卵を使った絶品プリンを開発しました。札幌駅には養鶏場直売所をオープンさせ、見事な成功を収めています。

私たちが日常的に利用する外食が、地域の生産者とダイレクトに繋がることは、日本の食文化を豊かにする素晴らしい道筋だと感じます。単なる価格競争に巻き込まれるのではなく、ストーリーのある高品質な食材を提供することで、消費者も納得して適正な対価を支払うようになるはずです。生産者と外食企業が手を取り合う幸福な循環が、今後のスタンダードになることを切に願っています。

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