香港の危機を未来の糧に!台湾総統選で若者たちが「民主主義の防波堤」を築く理由とは?

2020年1月11日の投開票を目前に控え、台湾の未来を決める総統選挙が熱を帯びています。台北市の活気あふれる繁華街では、大学生をはじめとした若者たちが街頭に立ち、必死に投票を呼びかけていました。これまで政治に無関心層が多いとされてきた台湾のユース世代ですが、彼らの行動がこの一大決戦の行方を大きく左右するかもしれません。

彼らを突き動かしているのは、激動の渦中にある香港の情勢に対する強い危機感です。2020年1月7日の夜、若者たちは道行く人々へ熱心に語りかけ、中国との距離感について議論を交わしていました。自由な言論が脅かされる近隣の姿を目の当たりにし、「自分たちの手で民主主義を死守しなければならない」という確固たる意志が、SNSを通じて瞬く間に拡散しています。

ネット上の反響も凄まじく、「若者の声が台湾を救う」「香港の二の舞を踏んではいけない」といった熱い応援コメントが溢れかえっていました。今回の草の根運動を主導するのは、10代から30代で結成された政治活動団体「行動山桟花」です。彼らは台北市だけでなく台中市や高雄市など、台湾全土の計5カ所で地道な啓発活動を続けています。

ここで言う「総統選」とは、国家の最高権力者であり元首である総統を選ぶ、台湾で最も重要な選挙のことです。かつて2018年11月の統一地方選では、中国との対話を重視する親中派の野党・国民党が大勝を収めました。中国が統一への圧力を強める中、未来に不安を抱いた若者たちが2019年6月に立ち上がった経緯があります。

団体のリーダーを務める22歳の大学生、張文蔚さんは、直接対話によって有権者の意識を変える重要性を力強く語ってくれました。台湾では20歳から選挙権が与えられますが、20歳代から30歳代の有権者数は約667万人に上り、全体の約35%を占めています。つまり、彼らの投票行動こそが、今後の台湾の舵取りを決定づけると言っても過言ではありません。

今回の選挙戦では、中国に対して毅然とした態度を崩さない与党・民主進歩党の蔡英文総統が、若者層からの絶大な支持を集めて優勢を保っています。対する最大野党・国民党の韓国瑜高雄市長らは、この若き波を前に苦戦を強いられている状況です。若者たちの選択は、単なる一票を超えた国家のアイデンティティを問うものとなっています。

こうした若者の政治運動の原点には、2014年春に起きた「ヒマワリ学生運動」があります。これは中国との経済協定に反対した学生たちが立法院、いわゆる国会を占拠した歴史的な事件です。中国への経済的依存がもたらすリスクへの警戒感が、結果として2016年の総統選における蔡英文氏の圧勝を後押ししました。

編集部としては、自らの手で未来を掴み取ろうとする台湾の若者たちの姿に、深い感銘を禁じ得ません。SNSを駆使して繋がり、対話を通じて社会を変えようとする熱量は、国境を越えて私たちの心にも響くものがあります。香港の痛みを自分たちの課題として捉え、行動に移す彼らの選択が、台湾に明るい光をもたらすことを願ってやみません。

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