日本の少子化対策に未来はあるか?出生数86万人ショックから考える「子供を産みたくない社会」の変革へ【保育インフラと男性育休】

2019年の1年間に生まれた日本人の赤ちゃんが86万4千人となり、想定を上回るスピードで90万人を割り込みました。この「出生数86万人ショック」に対し、SNSでは「給料が上がらないのに子供を育てるなんて無理」「社会全体が子供に冷たすぎる」といった悲痛な声が溢れています。若者が未来に希望を持てず、人口減少による国力衰退の危機が迫る今こそ、これまでの対策を根本から見直す時でしょう。

日本は世界的に見ても、女性の睡眠時間が極端に短い国として知られています。その背景にあるのが、家事や育児という重労働が女性の肩にばかり重くのしかかっている現状です。働く女性が増加しているにもかかわらず、家庭内での役割分担は一向に進んでいません。男性の家事参加を「イクメン」と特別視する風潮自体が、「育児は女性のもの」という固定観念の裏返しではないでしょうか。

さらに深刻なのは、日本の社会に蔓延する「子供への不寛容さ」です。保育所の建設に住民が反対したり、乗り物内で泣く子供に冷ややかな視線が注がれたりする現状があります。フィンランドなどの福祉先進国では、ベビーカー利用者の運賃を無料にするなど社会全体で親を支える仕組みが整っています。誰もが安心して子育てができる環境を作らなければ、出生数の反転など望めません。

解決への第一歩は、男性の育児休業、いわゆる「育休」の取得を義務レベルで促すことです。現在の男性の育休取得率はわずか6%にとどまっており、形骸化していると言わざるを得ません。政府は2020年春から国家公務員の管理職に対し、部下の育休取得を促す仕組みを人事評価に導入します。民間企業もこの動きに追随し、組織の意識を根本から変革していくべきです。

また、子育てを支える基盤である保育所は、電気や水道と同じ「生活インフラ」として機能させる必要があります。希望しても入れない待機児童問題の根本原因は、保育士の過酷な労働環境と低賃金にあります。幼い命を預かる責任の重さに見合った処遇改善をしなければ、担い手は増えません。国や自治体は財政の壁を言い訳にせず、ここに大胆な予算を投じるべきだと私は確信します。

突発的な事態への支援として、ベビーシッターを気軽に利用できる税制優遇も不可欠です。保育業界では、子供の発熱で急な迎えを求められる「37度5分の壁」が有名ですが、これが働く親の大きな障壁となっています。シッター費用を所得税などから差し引く「税額控除」を導入すれば、経済的負担は劇的に減るでしょう。社会全体で子育ての痛みを分かち合う姿勢が、今まさに求められています。

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