中国の湖北省武漢市を中心に発生した新型コロナウイルスによる肺炎が、猛烈な勢いで広がっています。中国メディアの報道によると、2020年1月22日の夜時点で新たに8人の死亡が確認され、犠牲者は計17人に達しました。さらに感染者数は540人を超えており、その波はアメリカやマカオといった海外にまで到達しています。これから多くの人が移動する春節(旧正月)の大型連休を迎えるため、国内外での緊張感は一気に高まっている状況です。
SNS上でもこのニュースは瞬く間に拡散され、「旅行の予定をキャンセルした」「日本国内での感染拡大が心配」といった不安の声が相次いでいます。また、マスクの買い占めを懸念する投稿や、手洗いうがいの徹底を呼びかける声も目立ちます。目に見えないウイルスの脅威に対して、一般市民の間でも急速に警戒心が強まっている様子が伺えるでしょう。この爆発的な広がりに対して、私たちは一刻も早い正確な情報収集と対策を求められています。
中国の国家衛生健康委員会は2020年1月22日、ウイルスが変異を遂げてさらに感染が拡大するリスクを指摘しました。ここでいう「ウイルス変異」とは、ウイルスの遺伝情報が変化し、感染力や毒性が強まる現象を指します。変異を繰り返すと既存の対策が通用しにくくなるため、専門家も動向を注視している状況です。なお、現地ではタケネズミやアナグマといった野生動物が今回の感染源となった可能性が浮上しており、詳細なルートの解明が急がれます。
日系企業も即座に動く!緊迫の出張禁止と在宅勤務
この非常事態を受けて、武漢市に拠点を持つ日本企業はスピード感のある感染防止策を打ち出しました。リコーやAGC、日揮、神戸製鋼所などは、従業員の武漢への出張を即座に禁止する措置をとっています。また、現地に総合スーパーを5店舗展開するイオンでは、駐在員の出勤時の体調管理を義務付け、売り場の消毒を徹底しています。豊田通商グループのネクスティエレクトロニクスのように、武漢拠点の社員を在宅勤務へ切り替える動きも出始めました。
武漢には現在、約160社の日本企業が進出しており、500人から600人の日本人が滞在しているとされています。企業の速やかな判断は、従業員の命を守るだけでなく、日本国内へのウイルスの持ち込みを防ぐ水際対策としても極めて重要です。アドバンテストのように中国全土の従業員に対して電話会議への切り替えを命じるなど、対面での接触を避けるビジネススタイルの変革が、今まさにサプライチェーン全体で求められていると言えます。
空港での水際対策強化と経済へのダブルパンチ
日本政府も防衛ラインの強化に乗り出しました。厚生労働省は、空港の検疫所でサーモグラフィーによる発熱検査を実施するだけでなく、武漢からの航空便の機内で体調に関する質問票を配る追加対策を決定しています。格安航空会社の春秋航空日本は、成田と武漢を結ぶ便で乗務員全員のマスク着用を徹底し、乗客へも無償でマスクを配布し始めました。旅行大手のJTBでは、すでに中国向けツアーのキャンセルが発生し始めている模様です。
こうした動きは経済や株式市場にも大きな影を落としています。訪日客の消費冷え込みが懸念され、日本航空や百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングスなどの株価が軒並み下落しました。その一方で、興研などのマスク製造企業や、除菌グッズを扱う大幸薬品の株価は急騰しています。大流行によって拠点が閉鎖される事態に備え、今こそ企業は事業継続計画(BCP)を見直し、リスクを最小限に抑える準備を進めるべきではないでしょうか。
コメント