米百貨店メーシーズの決断――ネット通販台頭で揺れる小売業界の未来と構造改革

2020年2月4日、アメリカの小売業界に大きな衝撃が走りました。百貨店大手として知られるメーシーズが、今後3年間で全店舗の1割強にあたる125店舗を閉鎖するという、大規模なリストラ策を公表したのです。同時に、オハイオ州シンシナティとニューヨークに分散していた本社機能をニューヨークに一元化し、従業員の約9%にあたる2000人を削減する方針も明らかにされました。このニュースは瞬く間に駆け巡り、SNS上では「時代を象徴する出来事だ」「かつての百貨店文化が消えていくようで寂しい」といった、驚きと戸惑いの声が多く上がっています。

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なぜ今、メーシーズは大規模閉鎖に踏み切ったのか

今回の決断の背景には、消費者の購買行動が実店舗からネット通販へと劇的にシフトしたという、抗えない時代の流れがあります。いわゆるEC(電子商取引)の台頭です。これはインターネット上のウェブサイトやアプリを通じて商品を購入する仕組みですが、アマゾンをはじめとするプラットフォームの利便性は、従来の百貨店が持つ強みを塗り替えてしまいました。メーシーズは、集客力が低下している郊外のショッピングセンター(SC)内店舗を閉鎖することで、成長が見込める領域へ経営資源を集中させる道を選んだのです。

かつては人々の買い物先として当たり前だった大型ショッピングセンターですが、若年層や家族連れの足が遠のいているのが現実です。2020年1月期通期の売上高は前年比2%減の245億ドルとなり、今期もさらなる減収が予測される厳しい状況です。私は、どれだけ歴史ある企業であっても、消費者の嗜好や時代の変化に柔軟に対応できなければ、生き残ることは困難であると改めて感じます。メーシーズが試みてきたネット通販の強化や体験型店舗への転換は重要ですが、百貨店という伝統あるビジネスモデル自体が、今まさに「再定義」を強く迫られているのでしょう。

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