私たちの食卓に欠かせない食材である豚肉の市場が、今まさに大きな揺れを見せています。2019年07月24日に三重県の養豚場で新たに感染が判明したことを皮切りに、2019年07月29日には福井県でも同様の被害が報告されました。これにより、ウイルスの猛威は岐阜県や愛知県を含む計7府県という広い範囲にまで及んでおり、供給体制への懸念が強まっています。
そもそも「豚コレラ(CSF)」とは、豚やイノシシの間で強い伝染力を持つ家畜の病気です。人間に感染することはありませんし、市場に流通する肉は厳しい検査をクリアしているため安全性に問題はありません。しかし、野生のイノシシがウイルスを運ぶ媒介役となっている現状では、感染経路を完全に遮断することが難しく、畜産業界にとっては非常に厄介な事態と言えるでしょう。
現在の市場価格は、先行きの不透明感から一時的に3割から4割ほど安値を付ける場面も見られます。SNS上では「家計には助かるけれど、農家さんの経営が心配」といった、生産者を思いやる声が数多く寄せられました。一見すると消費者には嬉しい値下げに感じられますが、供給不足が現実味を帯びてくれば、将来的には価格が急騰してしまうリスクも否定できない状況です。
感染の連鎖がもたらす供給リスクと編集部の視点
編集部としては、安易な安売りを喜ぶのではなく、国産ブランドを守るための冷静な対応が必要だと考えています。豚の殺処分が進めば、一度失われた飼育基盤を元に戻すには膨大な時間と労力がかかるはずです。国や自治体による迅速な防疫対策はもちろんのこと、私たち消費者も正確な知識を持ち、デマに惑わされずに国産豚肉を支えていく姿勢が求められるのではないでしょうか。
今後の動向を左右するのは、やはり感染域のさらなる拡大を食い止められるかという一点に尽きます。野生動物との接触を断つための柵の設置や消毒の徹底など、現場では懸命な努力が続いています。このまま感染の連鎖が止まらなければ、スーパーの棚から手頃な国産肉が消え、輸入肉への依存度が高まってしまうかもしれません。食の安全と安定供給を守るための正念場を迎えています。
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