ビジネスの最前線で活躍するプロフェッショナルにとって、心の支えとなる「師」の存在は欠かせません。森・濱田松本法律事務所のシンガポールオフィスで共同代表を務める小松岳志さんは、母校である土佐高校の先輩、キリンホールディングス副社長の小川洋さんから大きな影響を受けています。2017年11月のある週末、東京大学駒場キャンパスで行われたOB会にて、小川さんは「カツオが泳ぐようにのびのびと取り組むべきだ」という、土佐人らしい情熱的なエールを後輩たちに送りました。
小川さんは長年人事に携わってきた経験から、若者を見つめる眼差しが非常に温かく、その言葉には深い知恵が詰まっています。特に「ゆかりのない土地で働く際は、現地の人々と打ち解けることが重要であり、土佐流のオープンマインドが有効だ」という助言は、異国の地で奮闘する小松さんにとって今も大切な指針となっているようです。SNS上でも「飾らない心で現地に飛び込む姿勢こそ、グローバルリーダーに必要だ」と、この土佐流の処世術に共感する声が数多く寄せられています。
国境を越えた縁が結ぶ、ミャンマーでの大型買収劇
2012年からシンガポールへ赴任した小松さんは、ミャンマーのビール大手企業を買収するという極めて難易度の高い案件に携わることになりました。ここでいうM&Aとは、企業の合併や買収を指す専門用語ですが、単なる数字のやり取りではなく、泥臭い人間関係の構築が成否を分けます。この困難な局面で救いの手となったのが、他ならぬ小川さんでした。小川さんを通じてキリンホールディングスのM&A専門チームとの知遇を得たことで、強固な協力体制を築くことができたのです。
専門的な知見と土佐流の開放的な精神が融合した結果、複雑な交渉は見事に成功へと導かれました。東南アジアの熱気の中で奔走しながら、遠く離れた故郷・高知の縁に助けられるという体験は、何とも不思議でドラマチックな巡り合わせと言えるでしょう。私自身の見解としても、ビジネスのデジタル化が進む現代だからこそ、こうした「顔の見える信頼関係」や「郷土愛が生むネットワーク」が、最後の一歩を後押しする決定打になるのだと強く感じます。
現在は2019年08月19日、土佐ではちょうど戻りカツオが脂を蓄え、食卓を彩る素晴らしい季節を迎えています。異国の地で成果を上げた小松さんは、今ごろ小川さんと再会し、故郷の味を囲みながら思い出話に花を咲かせたいと願っているに違いありません。一つの出会いがビジネスの景色を変え、さらには国境を越えた大きな成果を生むという物語は、読者の皆様にとっても、身近な人間関係を再確認する素敵なきっかけになるのではないでしょうか。
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