KIRINJIが鳴らす2019年の最新音像!新アルバム「cherish」で体感するサブスク時代の低音美学

緻密なサウンド構成と唯一無二の世界観で、熱狂的な音楽フリークから絶大な信頼を寄せられているバンド「KIRINJI」。彼らが待望のニューアルバム「cherish」をユニバーサル・ミュージックから発表しました。2019年11月30日現在、音楽シーンは定額制のサブスクリプションサービスが主流となり、リスナーの耳も刻々と変化しています。そんな時代の空気を敏感に察知した彼らが提示するのは、これまでのイメージを鮮やかに塗り替えるような、全く新しい手触りの音楽体験なのです。

今作で最も耳を引くのは、地面を揺らすような力強い低音と、中毒性の高い粘り気のあるリズムでしょう。リーダーの堀込高樹さんは、自身の息子さんが好んで聴いている現代のダンスミュージックから大きな刺激を受けたと明かしています。世界的に「音像(スピーカーから聞こえる音の配置や広がり方のこと)」へのこだわりが強まる中で、本作も徹底的な低域の処理が施されました。SNS上でも「今回のキリンジは低音がヤバい」「ベースラインの心地よさが異次元」といった驚きの声が続々と上がっています。

KIRINJIの代名詞とも言える、ウィットに富んだ歌詞のセンスは今作でも遺憾なく発揮されています。例えば、小学生の息子さんが着ていたTシャツの柄から着想を得たという「Pizza VS Hamburger」など、日常の何気ない風景を独自の切り口で切り取る手腕には脱帽するしかありません。高樹さんの言葉選びは、一見シュールでありながら、現代社会を鋭く批評するような奥行きを持っており、聴くたびに新しい発見を与えてくれるはずです。遊び心と芸術性が高次元で融合している点こそ、彼らの真骨頂と言えるでしょう。

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2020年2月からの全国ツアーで目撃する「進化するグルーヴ」

音源制作において徹底的に「端正さ」を追求したという今作ですが、その真価はライブの場でさらに拡張されるに違いありません。KIRINJIは2020年2月から全国を巡るツアーの開催を予定しています。堀込さんは、アルバムで作り上げた緻密な印象を大切にしつつも、ライブならではの圧倒的なグルーヴを上乗せしたいと熱く意気込みを語っています。スタジオ盤の完璧な調和が、ステージ上でどのように熱を帯びて変貌を遂げるのか、今から期待に胸が膨らみます。

編集者としての私見ですが、本作「cherish」は単なるポップアルバムの枠を超え、現代の録音芸術における一つの到達点だと感じています。情報過多な現代において、ここまで「音の質感」そのものに没入させる力を持った作品は稀有でしょう。歌詞にニヤリとし、重厚なビートに身を委ねる。そんな贅沢な音楽体験を、ぜひ多くの人に味わってほしいと切に願います。流行を追うのではなく、流行をKIRINJIというフィルターを通して再定義してみせた彼らの姿勢こそ、真のクリエイティビティではないでしょうか。

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