2019年07月22日、日本の行く末を占う第25回参議院議員通常選挙の全議席が確定しました。改選となる124議席を巡る激しい攻防の結果、自民党が57議席、公明党が14議席をそれぞれ獲得しています。これにより、自公連立政権は改選過半数の63を大きく上回る合計71議席を確保し、安倍晋三政権の継続に向けた国民の一定の信頼を勝ち取った形となりました。
今回の勝利を受け、安倍晋三首相は2019年07月22日の午後に首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談を行い、今後も強固な結束のもとで連立政権を運営していく方針を改めて確認する見通しです。菅義偉官房長官も同日午前の記者会見にて、安定的な過半数を得られたことは、これまでの経済再生や外交、社会保障改革への取り組みが評価された結果であると自信を滲ませました。
憲法改正へのハードルと野党勢力の動向
一方で、政権が悲願とする憲法改正については、一筋縄ではいかない状況も浮き彫りになっています。憲法改正案を国会で「発議」するためには、衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要となりますが、今回の結果では改憲に前向きな「改憲勢力」の合計議席が、参議院でのラインである164議席にあと4つ届きませんでした。これは今後の国会運営において、野党側との慎重な対話が不可欠であることを意味しています。
野党第1党の立憲民主党は、改選前の9議席から17議席へと勢力を大幅に伸ばし、存在感を示しました。SNS上では「政権への批判票が結集した」との声が上がる一方、国民民主党が6議席に留まるなど、野党内でも明暗が分かれています。日本維新の会は10議席を獲得して躍進しており、憲法改正の議論においてキャスティングボート(成否を握る決定権)を握る存在として注目が集まるでしょう。
特筆すべきは、政治団体である「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」の躍進です。比例代表でそれぞれ2議席と1議席を獲得し、公職選挙法上の「政党要件」を満たすことになりました。2001年の非拘束名簿式導入以降、政党要件を持たない諸派が議席を得るのは初めての快挙であり、既存の政治体制に飽き足らない有権者の熱い視線が注がれていることが分かります。
消費税増税とこれからの日本経済
今回の選挙結果により、自民党が公約に掲げていた2019年10月の「消費税率10%への引き上げ」も国民から信任を得た格好となりました。安倍首相は増税による景気への影響を抑えるため、必要があれば「ちゅうちょなく対応する」と明言しており、年内には増税に伴う経済対策がまとめられる予定です。家計への直接的な影響が大きいだけに、今後の政府の舵取りには厳しい目が向けられるはずです。
筆者の視点としては、今回の選挙は「安定」を選びつつも「全権委任」ではないという、国民の絶妙なバランス感覚が示されたと感じます。改憲勢力が3分の2に届かなかったことは、熟議を求める民意の表れではないでしょうか。新興勢力の台頭は、政治への関心が多様化している証拠でもあります。これからの日本がどのような議論を経て形作られていくのか、私たちはこれまで以上に注視していく必要があるでしょう。
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