2019年07月28日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザは、割れんばかりの歓声と熱気に包まれました。バドミントンのダイハツ・ヨネックス・ジャパン・オープン最終日、男子シングルの決勝戦が行われ、世界ランキング1位の桃田賢斗選手が見事に2連覇を達成したのです。表彰式後、場内インタビューに臨んだ桃田選手は、「こんなに多くの人に応援してもらって……」と感極まり、言葉を詰まらせる場面がありました。普段は冷静沈着な王者が、人目をはばからず涙を流す姿に、詰めかけたファンも熱い拍手を送っています。
今大会の桃田選手は、決して順風満帆な状態で乗り込んできたわけではありません。実は、格付けの高い大会である前週のインドネシア・オープンにおいて、まさかの2回戦敗退を喫していたからです。絶対的な王者として君臨しながらも、早期敗退という結果に、本人も「自信を失いかけていた」と胸の内を明かしています。精神的な重圧と戦いながら、自国開催のプレッシャーがかかる大舞台で見事に立て直してみせたその精神力は、まさに世界トッププレイヤーの証明と言えるでしょう。
決勝のコートで見せたのは、精密機械のような正確さと泥臭いまでの粘り強さでした。第1ゲームから激しいラリーの応酬となりましたが、桃田選手は執拗にシャトルを拾い続け、相手を四隅に揺さぶる配球を見せます。「ラリー勝負」とは、1打で決めに行かず、粘り強く打ち合いを続けて相手のミスを誘ったり、隙を突いたりする戦術のことです。緻密に計算されたショットを散らし、対戦相手を疲弊させていく姿からは、勝利に対する凄まじい執念が感じられました。
SNS上では、この劇的な勝利に対して「これぞ日本のエース!」「感動して一緒に泣いてしまった」といった絶賛の声が溢れかえっています。特に、苦しい時期を乗り越えて自国開催のトーナメントを制したストーリー性に、多くのスポーツファンが胸を熱くしているようです。東京五輪を翌年に控える2019年という重要な時期において、このジャパンオープンでのタイトル獲得は、彼自身のキャリアにとっても、日本バドミントン界にとっても極めて大きな意味を持つ出来事となりました。
編集部としては、今回の桃田選手の涙こそが、彼が背負っているものの大きさを物語っていると感じます。技術の高さはもちろんですが、負けた後の短期間でこれほどまでにコンディションとメンタルを修正できる能力こそが、彼の真の強さではないでしょうか。今後も厳しい戦いは続くでしょうが、苦境を糧にしてさらに進化を続ける桃田選手の姿から目が離せません。日本中からの期待を力に変えて、さらなる高みへと突き進んでくれることを確信しています。
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