北海道・道東の玄関口である釧路市は、2018年度(平成30年度)における観光客の総数が、対前年度比1.2パーセント増となる530万1,821人に達し、過去最多を記録したと2019年6月12日に公表いたしました。これは、同市が長きにわたり目標としてきた大台を突破する快挙であり、地域経済に明るい兆しをもたらす朗報だと言えるでしょう。一時は2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響で、観光業は深刻な停滞を余儀なくされましたが、そこからの目覚ましい回復劇に、関係者だけでなくSNS上でも「釧路の魅力が証明された」「この勢いでさらに観光地として発展してほしい」といった期待の声が寄せられています。
この歴史的な成果を支えた要因は複数ありますが、特に大きな後押しとなったのが「北海道ふっこう割」の存在です。これは、災害によって落ち込んだ観光需要を喚起するため、国や自治体が旅行代金の一部を補助する割引制度(専門的には旅行需要喚起策と呼ばれます)であり、釧路市は震源地から距離がある道東地域ながらも、地震直後には阿寒湖温泉などで多くの宿泊予約キャンセルが発生していたため、この支援策が観光客の呼び戻しに非常に効果的であったことがうかがえます。SNSでは「ふっこう割で行って、あらためて釧路の自然の素晴らしさに感動した」という趣旨の投稿も多く見られ、単なる割引以上の価値を提供したようです。
また、釧路空港と関西国際空港を結ぶ格安航空会社(LCC)の定期便が就航したことも、観光客増加の強力な原動力となりました。LCC、すなわちローコストキャリアは、運航コストを抑えることで、従来の航空会社よりも安価な運賃を提供する航空会社であり、これにより、特に西日本エリアからの旅行者が、手軽に釧路を訪れることが可能になったのです。交通手段の利便性向上は、旅行先を選ぶ際の重要な要素であり、この路線の開設は、道東観光の新たな可能性を切り開いたと評価できます。私としても、地域振興にはアクセス向上こそが最重要であると常々考えているため、この戦略的な取り組みは、他地域のモデルとなるべき成功例だと確信しています。
宿泊客数についても見てみましょう。2018年度の延べ宿泊客数は153万944人と、前年度からほぼ横ばいの水準を維持しました。しかし、注目すべきは訪日外国人(インバウンド)の動向です。外国人宿泊客数は対前年度比2.4パーセント増となる16万36人を記録し、こちらも過去最高を更新しました。国内旅行客は景気や災害の影響を受けやすい一方で、外国人観光客は日本の**「道東ブランド」**への関心が継続的に高まっていることを示しており、特にアジア圏からの観光客増加が全体を押し上げているようです。釧路湿原の雄大な自然や、新鮮な海の幸といった唯一無二の魅力が、国際的にも強く認識され始めている証拠ではないでしょうか。
今回の記録達成は、釧路市が観光地としての潜在能力を最大限に引き出した結果だと言えます。特に、大規模災害からの迅速な回復と、LCCによる新たな顧客層の開拓という二つの柱が、困難を乗り越えて最高値を叩き出した原動力となりました。今後は、このインバウンドの勢いをさらに加速させるため、多言語対応の強化や、阿寒摩周国立公園などの自然資源を活かした体験型観光の充実が不可欠でしょう。この成功を一時的なものにせず、持続可能な観光都市としてさらに発展していくことを期待しています。
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