建築業界の景気を占う重要な指標の一つである石こうボードの動きに、大きな変化が表れています。2019年07月の国内出荷量は、前年の同じ時期と比較して8.4%も増加しました。前月までの落ち込みを吹き飛ばし、2カ月ぶりにプラスへと転じた背景には、私たちの生活に直結するある大きな節目が関係しているようです。
現在、業界全体を力強く牽引しているのは、2019年10月に控えた消費税率の引き上げに伴う「駆け込み需要」に他なりません。増税前にマイホームを完成させたい、あるいはリフォームを済ませたいという切実な願いが、石こうボードという住宅の壁や天井を作るために欠かせない建材の需要を、爆発的に押し上げているのです。
五輪を控えた都市開発と石こうボードの意外な役割
石こうボードとは、石こうを主原料とした芯材を特殊なボード用原紙で包んだ建材のことです。防火性や遮音性に優れているため、現代の建築にはなくてはならない存在といえるでしょう。この魔法のような建材が今、一般住宅だけでなく、2020年の東京五輪に向けた宿泊施設や大型店舗の建設現場でも、フル回転で活用されています。
SNS上でも「近所の空き地がいつの間にかホテルになっている」「どこもかしこも工事中で建材の搬入がすごい」といった驚きの声が相次いでいます。五輪を目前にした都市の変貌ぶりと、増税前の駆け込みという二つの巨大な波が重なったことで、現在の建築ラッシュは、まさに最高潮を迎えていると言っても過言ではありません。
編集者の視点から見れば、この出荷増は単なる数字の動きではなく、日本全体が「変化」の瞬間に立ち会っている証拠だと感じます。駆け込み需要による反動減を懸念する声もありますが、高品質な建材がこれほど普及することは、住環境の安全性向上という面で歓迎すべきことでしょう。今、この瞬間の活気を日本の未来の基礎固めに繋げたいところです。
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