2019年09月26日、北海道銀行は道内の金融インフラに大きな変革をもたらす新たな提携を発表しました。同年10月01日より、渡島信用金庫および北空知信用金庫との間でATMの相互利用を開始することが決定したのです。これにより、これまで銀行の壁に阻まれていた利便性が飛躍的に向上することでしょう。
今回の提携によって、日中の時間帯であれば互いの顧客が手数料を支払うことなく現金の引き出しが可能になります。具体的には、平日の午前08時から午後18時の間、従来は100円(税別)必要だった手数料が完全に撤廃される仕組みです。利用者の財布に優しいこの施策は、地域住民にとって非常に喜ばしいニュースといえます。
ネット上のSNSでは「わざわざ自前の銀行を探さなくて済むのは助かる」「地方ではATMの場所が限られているので、この相互開放は神対応だ」といった期待の声が続出しています。一方で、銀行側には切実な台所事情があるのも事実です。ATM1台を維持するには、年間で約400万円もの莫大なコストがかかるといわれています。
ここで注目すべきは「ATMの維持コスト」という専門用語です。これは機械のリース料だけでなく、現金の補充・回収、システムの通信費、さらには警備費用まで含まれる膨大な経費を指します。キャッシュレス化の進展により、ATMの利用回数は5年前と比較して1割から2割も減少しており、効率化が喫緊の課題となっているのです。
北海道銀行は、すでに提携済みの機関を含め、道内20信金のうち4つの信金と手を取り合うことになります。対象となるATMは、同行の707台に加え、渡島信金の21台、北空知信金の19台に及びます。地域で重複している設置場所を集約できれば、経営の健全化にも大きく寄与するに違いありません。
編集者の視点から申し上げれば、この動きは単なるコスト削減を超えた「地域共生」の象徴だと感じます。人口減少が進む地域において、個別の金融機関が競い合う時代は終わりを告げました。これからはライバル同士がインフラを共有し、住民の生活基盤を守るという視点が、地方銀行の生き残りには不可欠になるはずです。
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