2019年10月13日に開催されたバレーボールワールドカップ男子大会において、日本代表は世界ランキング1位のブラジルを相手に、これまでにない熱戦を繰り広げました。1994年以来、四半世紀にわたり一度も勝利を収めていない高い壁に対し、今の日本代表は「個の力」と「組織的な守備」という二つの武器を携えて真っ向から挑んだのです。会場のボルテージは最高潮に達し、王者をあと一歩のところまで追い詰めるその姿は、多くのファンの心を震わせました。
試合が動いたのはセットカウント1対1で迎えた第3セットの序盤でした。ブラジルのリカルド・ソウザ選手が、それまで温存していたかのような鋭いサーブを次々と繰り出してきたのです。石川祐希選手が「連係ミスを突かれ、対応した裏をかかれた」と振り返る通り、落差のある変化球と強烈なスパイクサーブの使い分けに翻弄され、痛恨の5連続失点を喫してしまいました。この「ここ一番」でのギアの上げ方こそ、世界のトップを走り続ける強豪の恐ろしさと言えるでしょう。
西田選手の躍動と粘り強い守備が呼び込んだ希望
しかし、今大会の日本は一方的に攻められるだけの存在ではありませんでした。若きエース西田有志選手や山内晶大選手、そしてキャプテンの柳田将洋選手らが放つ攻撃的なサーブが、ブラジルの完璧な布陣を何度も崩したのです。相手の攻撃ルートを限定させることで、日本のブロック陣が面白いように機能し、合計6本ものブロックポイントを量産しました。SNS上でも「今の日本ならブラジルに勝てるかもしれない」といった期待の声が溢れ、トレンドを席巻するほどの盛り上がりを見せています。
惜しくもセットカウント1対3で敗れはしたものの、中垣内祐一監督は「ブラジルを本気にさせ、同等のレベルで戦えた」と選手たちの成長を高く評価しています。サーブで崩してブロックで仕留めるという現代バレーの理想形を体現したこの一戦は、日本バレーが再び世界の主役へと躍り出る前兆ではないでしょうか。個人的には、強豪の「標準装備」された底力を肌で感じた柳田選手の悔しさが、来たる東京五輪での大躍進へと繋がる重要なラストピースになると確信しています。
コメント