今、旅行ファンの間で熱い視線を浴びているのが、その土地が最も輝く瞬間を追いかけて拠点を移す「旅するホテル」という新しい宿泊スタイルです。決められた場所に建つ従来の宿泊施設とは異なり、季節ごとの一番美味しい景色や空気を提供するためにホテル側が移動するという発想は、まさに贅沢の極みと言えるでしょう。
オープンセサミが手掛ける「グランドツアー」は、移動式のトレーラーハウスを客室として活用し、各地の絶景ポイントを巡っています。2019年9月24日には長野県を舞台に、視界を遮るもののない満天の星空の下で、極上の宿泊体験を提供しました。ただ眺めるだけでなく、その土地の一部になるような感覚は、移動型ならではの魅力に違いありません。
また、ワンダーワンダラーズが運営する「ザ キャラバン」では、豪華なテントを用いた「グランピング」スタイルで、自然の中でのフルコース料理を楽しめます。グランピングとは「グラマラス」と「キャンピング」を掛け合わせた造語で、キャンプの醍醐味とホテルのような快適なサービスを両立させた、アウトドアの新しい楽しみ方として注目されています。
2019年8月15日には、北海道の広大なぶどう畑に現れ、心地よい涼風を感じながらのピクニックなど、土地の恵みを五感で味わう時間が提供されました。SNS上では「一生に一度は体験してみたい」「次はどこに行くのか目が離せない」といった声が溢れており、その場所・その瞬間にしか存在しない「非再現性」が、多くの人々の心を掴んでいます。
編集者が語る、移動型ホテルが現代人の心を打つ理由
インターネットで何でも疑似体験できる時代だからこそ、私たちは「今、ここでしか味わえない本物」を強く求めているのではないでしょうか。効率を重視した観光地巡りよりも、移ろいゆく季節の「旬」を現地で待ち構えるという贅沢な時間の使い方は、現代における究極の心のデトックスになると私は確信しています。
かつて王族や貴族が行ったとされる「グランドツアー(大旅行)」のように、知的好奇心を満たしながら未知の風景に出会う旅は、私たちの価値観を大きく揺さぶってくれるはずです。決まった住所を持たないホテルが提案する、自由でしなやかな旅のあり方は、これからの観光業界においてますます重要なキーワードになっていくことでしょう。
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