中小企業の未来を救う「攻めの廃業」とは?経営共創基盤・冨山和彦氏が語る、日本経済再生への新陳代謝と決断の極意

日本の中小企業がいま、深刻な後継者不足という大きな壁に直面しています。2019年11月01日、経営共創基盤(IGPI)のCEOである冨山和彦氏は、企業の「引き際」の重要性について極めて本質的な提言を行いました。現在、M&Aの仲介サービスが活況を呈していますが、実際に買い手がつくのは一握りという厳しい現実があるのです。

冨山氏は、日本経済の活力を取り戻す鍵は「新陳代謝」にあると断言します。先進国において、GDPの約7割を支えるのは中小企業の活動です。それゆえに、無理な延命を図るよりも、円滑に市場から退出して新しい組織へリソースを移す方が、結果として国全体の生産性を高め、働く人々の賃金向上にも繋がるという視点は、非常に説得力があります。

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「個人保証」の壁を壊し、再挑戦できる仕組み作りを

廃業を阻む最大の要因として、冨山氏は「経営者の個人連帯保証」を挙げています。これは、会社が借金をする際に経営者個人がその責任を負う仕組みですが、これが足かせとなり、多くの経営者が「やめたくてもやめられない」状況に陥っています。この制度を事実上禁止し、経営者が裸一貫で放り出されないような支援体制を整えるべきだと訴えます。

SNS上では「廃業奨励金という考え方は目から鱗だ」「倒産=悪というイメージが変わるべき」といった共感の声が多く上がっています。冨山氏の主張する「廃業奨励金」という大胆なアイデアは、これまで中小企業の延命に使われていた公的資金を、経営者や従業員のその後の生活保障に充てるべきだという、極めて合理的で人間味のある提案と言えるでしょう。

私自身の考えとしても、日本の「失敗を許さない文化」が経済の停滞を招いていると感じます。経営者が再スタートを切れるセーフティネットがあれば、より果敢な挑戦が可能になるはずです。専門用語で言えば、これは「デッドキャパシティ(休眠資産)」の流動化を促す行為であり、日本経済のデトックスには欠かせないプロセスなのです。

経営者が持つべき「未来志向」の判断基準

では、経営者は何を基準に決断すべきでしょうか。冨山氏は「他人の助けがないと維持できないと感じたら、それは潮時である」と説いています。病気と同じで、判断を先送りにすればするほど事態は悪化し、周囲への被害も広がります。何代続いたかという過去の栄光に縛られず、家族や従業員の「未来」にとって最善な道を選ぶ勇気が求められます。

もし事業に継続の可能性があるなら、自分よりも優れた「ベターオーナー」へ託すM&Aも一つの手段ですが、将来性が見込めない場合は「終活」が必要です。元気なうちに客観的なアドバイスをくれる第三者を身近に置くことが、最善の出口戦略(エグジット)を描くための近道となります。2019年11月01日時点のこの提言は、今まさにすべての経営者が噛み締めるべき金言です。

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