2019年11月21日、東北電力は女川原子力発電所において発生していた、放射線監視装置(モニタリングポスト)のデータ伝送トラブルに関する調査結果を公表しました。宮城県の女川町と石巻市にまたがる同発電所は、地域住民の安全を守るために厳重な管理が求められています。今回の事象は、本来であればリアルタイムで届くはずの放射線量の数値が、中央制御室へ送られなくなったというものです。
原因を詳しく調査したところ、モニタリングポストと発電所の中枢をつなぐ通信ケーブルに「断線」が見つかりました。モニタリングポストとは、周辺環境の放射線量を24時間体制で計測し続ける、いわば「地域の見守り役」とも言える重要な設備です。現場には合計で6台の装置が設置されていますが、そのうちのわずか1台に生じた不具合が、システム全体の異常検知を招き、すべての伝送がストップする事態に至りました。
SNS上では、このニュースに対して「たった1箇所の断線で全システムが止まってしまうのは不安だ」といった声や、「早期に原因を特定して公表した点は評価できる」という冷静な意見が交わされています。やはり、原子力発電という極めて高い安全性が求められる分野だけに、ケーブル1本の劣化や損傷がシステム全体に波及する仕組みに対して、より堅牢な設計を望む市民の切実な思いが反映されているようです。
これを受けて東北電力は、すでに応急処置として新しいケーブルへの交換作業を完了させています。さらに、2019年度内には根本的な再発防止策を講じる計画を明らかにしました。具体的には、放射線量を計測して送るための「データ伝送用ケーブル」と、各装置の通信順序をコントロールする「制御信号用ケーブル」を物理的に切り離すという、システムの分離工事が進められる予定です。
編集者の視点から言わせていただければ、インフラの老朽化や予期せぬ損傷は避けられないリスクですが、それをいかに最小限の被害に留めるかが技術の真髄でしょう。今回の「1台の故障が全停止を招く」という仕様は、リスク分散の観点では課題があったと言わざるを得ません。しかし、この失敗を教訓にシステムを二重化・分離させるという改善策は、将来の信頼性を高めるための大きな一歩になると確信しています。
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