【2019年最新】野崎六助が選ぶ至極の3冊!深夜に浸るミステリの醍醐味と警察小説の罠

秋の夜長、静寂に包まれた部屋でページをめくる時間は、何物にも代えがたい贅沢と言えるでしょう。文芸評論家の野崎六助氏が、2019年11月14日時点で「今こそ読むべき」と太鼓判を押した3冊をご紹介します。SNS上でも「深夜に読むと没入感がすごい」「選書のセンスが渋くて信頼できる」と話題を呼んでいる、珠玉のラインナップを紐解いていきましょう。

まず一冊目は、福永武彦、中村真一郎、丸谷才一という文学界の巨星たちが名を連ねる『深夜の散歩』です。本書は、ミステリを「深夜の孤独な友」であり「頭の散歩」であると定義した、歴史的な一冊といえます。刊行から約半世紀が経過し、作中の作品は古典となりつつありますが、その批評のスタイルは今なお色褪せることがありません。

著者の三人はミステリの専門家ではないからこそ、肩の力が抜けた「素人講釈」としての面白さが詰まっています。特に「読後に何も残らないことこそが探偵小説の最高の後味である」という一節は、純粋に謎解きを愉しむ至言といえるでしょう。社会派ミステリが隆盛を極める中で、あえてパズルとしての愉悦を説いた彼らの視点は、現代の読者にも新鮮な刺激を与えてくれるはずです。

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正義を問う警察ミステリと、終わらない煉獄の完結編

続いては、笹本稜平氏による重厚な警察小説『サンズイ』です。「サンズイ」とは、汚職事件などの収賄(しゅうわい)を指す隠語ですが、本作では代議士秘書を追う刑事が、権力の迷宮へと引きずり込まれていきます。正義の定義さえも権力が塗り替えてしまう冷徹な世界で、警察内部の熾烈な暗闘が手堅く描かれており、一度読み始めたら止まらない疾走感に溢れています。

最後を飾るのは、サンドローネ・ダツィエーリ氏の『パードレはもういない』です。極悪な存在「父(パードレ)」との死闘を描いた3部作がついに完結を迎えます。しかし、敵を倒してもなお、悪のシステムが「子」へと継承されていく絶望的な展開は、まさに終わることのない「煉獄(れんごく)」、すなわち罪を浄めるための苦難の場所を彷彿とさせ、読者の心に深く突き刺さります。

今回の野崎氏の選書からは、単なるエンターテインメントに留まらない、人間の業や社会の闇を照射する強い意志を感じます。個人的には、古典の持つ「洒脱さ」と現代小説の「重厚さ」を交互に味わうことで、より深く読書体験を拡張できるのではないかと考えています。2019年の今、これらの作品が提示する「問い」を、ぜひあなたの深夜の散歩のお供に選んでみてください。

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