印刷インキの世界最大手であるDICグループにおいて、国内のグラフィック事業を牽引するDICグラフィックス株式会社が、新たなリーダーシップのもとで次なるステージへ進むことが決定いたしました。2019年11月18日に発表された人事情報によりますと、2020年1月1日付で甲斐敏幸氏が代表取締役兼社長執行役員に就任します。
甲斐氏はこれまで執行役員として技術本部長の要職を務め、製品の品質向上や次世代技術の開発に尽力してきた人物です。技術畑の出身者がトップに立つことで、急速に変化するデジタル社会や環境配慮型製品への需要に対して、より専門的かつスピーディーな経営判断が下されることが期待されるでしょう。
一方で、これまで同社を力強く牽引してきた谷上浩司氏は、今回の人事をもって代表取締役を退任される運びとなりました。ネット上のSNSや業界関係者の間では、「長年の功績に感謝したい」という声とともに、「技術のプロが社長になることで、インキの可能性がどう広がるのか楽しみだ」といったポジティブな反応が広がっています。
代表取締役の交代に合わせ、製造の要となる主要工場のトップも刷新されます。千葉工場長には山崎裕之氏が、小牧工場長には神門伸昭氏がそれぞれ2020年1月1日付で着任する予定です。生産現場の責任者が新しくなることで、さらなる安全性の向上や製造プロセスの効率化が図られるのではないでしょうか。
ここで、今回の人事で重要なキーワードとなる「執行役員」について少し触れておきましょう。これは、取締役会が決定した方針に基づき、実際の業務運営を専門的に担う役職を指します。技術本部長から社長へと昇進する甲斐氏は、まさに現場の知見と経営の舵取りを融合させる「実務型リーダー」の象徴といえます。
私は、今回の人事刷新がDICグラフィックスにとって非常に大きな転換点になると考えています。昨今の出版不況やペーパーレス化の影響で、印刷インキ業界は厳しい逆風にさらされていますが、甲斐新社長が持つ技術的バックグラウンドは、新たな機能性材料の開発など、既存の枠を超えたイノベーションを生む鍵となるはずです。
2020年という節目から始まる新体制は、同社が培ってきた伝統を守りつつも、柔軟な発想で未来を切り拓くための布石となるに違いありません。技術と経営が密接に連携することで、私たちの生活を彩る「色」のテクノロジーがどのように進化していくのか、今後の動向から目が離せませんね。
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