パナソニックが半導体事業から完全撤退へ!台湾ヌヴォトンへの売却が示す日本電機業界の大きな転換点

2019年11月28日、日本の製造業に衝撃が走るニュースが飛び込んできました。大手電機メーカーのパナソニックが、長年展開してきた半導体事業からついに撤退することを決断したのです。売却先となるのは、台湾の半導体企業である新唐科技(ヌヴォトン・テクノロジー)で、事業を担う子会社の全株式を譲渡する方針を固めました。

かつて1990年前後には、日本の半導体は世界市場を席巻し、パナソニックも売上高でトップ10に名を連ねるほどの勢いがありました。しかし、巨額の投資を惜しまない韓国や台湾勢の猛追を受け、次第にその競争力は削がれてしまいます。今回の撤退劇は、日本の電機大手が歩んできた構造改革の一つの区切りを象徴しているといえるでしょう。

SNS上では、かつての「技術大国・日本」を象徴する事業がまた一つ消えることに対し、「一つの時代が終わった」といった惜しむ声が多く聞かれます。その一方で、株価が一時的に上昇したことを受け、不採算部門を切り離すという経営判断を前向きに捉える投資家も少なくありません。時代の流れに応じた迅速な決断が、今まさに求められているのです。

パナソニックの半導体史は、1952年にオランダのフィリップスと合弁会社を設立したことから始まりました。それ以来、自社の家電製品に搭載する半導体を自給自足し、国内外で工場を拡大させてきたのです。しかし近年では工場の稼働率が著しく低下し、2014年には生産体制をイスラエル企業との共同運営に切り替えるなどの苦肉の策を講じていました。

注力していた車載向け製品も期待通りの成果を上げられず、2019年3月期の営業損益は235億円もの赤字を計上しています。津賀一宏社長が掲げる「赤字事業の撲滅」という強い意志に基づき、2021年をめどとする液晶パネル事業からの撤退に続く、断腸の思いでの聖域なき改革だといえます。

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買収する台湾ヌヴォトンの正体と今後の展望

今回、事業を引き継ぐことになった「ヌヴォトン」とはどのような企業なのでしょうか。同社は、電子機器の脳にあたる「マイコン(MCU)」などの開発や、受託生産を主軸とする台湾の新興勢力です。マイコンとは、炊飯器や自動車のブレーキなど、特定の動作を制御するために組み込まれる小さなコンピューターのような半導体のことを指します。

台湾のメモリー大手である華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)の傘下にある同社は、非常に豊富な資金力を有しています。パナソニックが培ってきた画像センサーなどの高い技術力を手に入れることで、世界市場でのさらなる飛躍を狙っているのでしょう。技術力はあるものの採算が取れなかった日本企業と、勢いのある台湾企業の対照的な姿が見て取れます。

個人的な意見としては、この撤退は単なる敗北ではなく、次世代の成長分野にリソースを集中させるための「進化への痛み」であると信じたいところです。過去の栄光に固執せず、得意な領域で再び世界を驚かせてくれることを期待しています。半導体事業の売却により、パナソニックがどのような新しい価値を創造していくのか、今後も目が離せません。

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