2019年11月20日の夕刻、外国為替市場では円相場が力強く反発する展開を見せました。午後5時の時点において、円は1ドル=108円66銭から67銭で取引されており、前日の同時刻と比較して25銭ほどの円高・ドル安へと振れています。市場を動かしたのは、依然として出口の見えない米中貿易協議への不透明感に他なりません。
投資家の間では、リスクを避けるために「安全資産」としての円を確保しようとする動きが強まったようです。このように、世界情勢が不安定な際に価値が下がりにくい通貨へ資金を移すことを、専門用語で「リスク回避の動き」と呼びます。今回の局面でも、まさに低リスク通貨である円の優位性が改めて証明された形となりました。
SNS上では「米中関係がこじれると、やはり円が買われる」「先行きが見えない不安が数字に表れている」といった声が相次ぎ、市場の緊張感が一般の層にも波及しています。一方で、トランプ大統領の動向も大きな注目を集めました。2019年11月18日に投稿されたSNSの内容が、相場の流れを決定づける一因となったのです。
トランプ氏は、FRB(連邦準備理事会)のパウエル議長と対談した際、マイナス金利の是非やドル高が米国の製造業に及ぼす悪影響について議論したことを明かしました。FRBとは、日本における日本銀行のような、アメリカの金融政策を司る中央銀行を指します。大統領が「ドル高」を警戒する姿勢を見せたことで、円買いの勢いが加速したのでしょう。
筆者の個人的な見解としては、政治家の発言ひとつでここまで敏感に反応する現在の市場は、非常に繊細なバランスの上で成り立っていると感じます。特にトランプ氏のSNS戦略は、従来の経済理論を飛び越えた予測不能な影響力を持っており、投資家にとっては一瞬たりとも目が離せない状況が続くはずです。
実体経済における製造業への配慮を強調する大統領の姿勢は、国内産業の保護という観点では理解できますが、為替市場をここまで激しく揺さぶることの是非は議論が分かれるところでしょう。2019年11月20日の動きは、米中対立という巨大な枠組みの中に、トランプ氏の言動が絶妙にスパイスとして加わった結果だと言えます。
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