2019年12月10日、スリーエムジャパンが相模原事業所内に、研磨ロボットの普及を加速させるための新拠点「3Mロボット研磨ラボ」を立ち上げました。この施設は、ロボットメーカーやシステムインテグレーターといった専門企業が手を取り合い、研磨の自動化という高い壁に挑むための協業拠点となります。
SNS上では、これまで職人の「勘」と「経験」に頼り切りだった研磨工程が、ついにデジタル化されることへの期待感が高まっているようです。特に人手不足に悩む現場からは、「これでようやく自動化の道筋が見える」といった歓迎の声が上がっており、業界全体がこの革新的な取り組みに熱い視線を送っています。
研磨とは、製品の表面を削ったり磨いたりして美しく滑らかに仕上げる、製造業において非常に重要な工程を指します。しかし、対象物の硬さや形状によって最適な力加減が異なるため、これまでは人の手による繊細な作業が不可欠とされてきました。この職人技を機械で再現することが、現場の大きな課題だったのです。
5000種類を超える知見とロボット技術の融合
3Mは、実はこの分野で5000種類以上の研磨材を誇る世界屈指のスペシャリスト集団です。ラボではこれらの膨大な製品群から、加工手法に合わせて最適なものを選び抜くことが可能となります。複雑なロボットの制御プログラミングと、素材の特性を知り尽くした3Mの知見が合わさることで、高度な自動化が実現するでしょう。
新設されたラボ内には2台の最新鋭ロボットが導入されており、研磨時にかかる圧力などをリアルタイムで数値化できるシステムが完備されています。これは、ベテラン作業者の指先の感覚をデータとして可視化することを意味します。顧客は自社の製品を持ち込んで実機テストを行えるため、導入後のミスマッチを最小限に抑えられます。
驚くべきことに、過去の連携事例ではシステム構築期間が従来の半分となる3カ月程度にまで短縮された実績もあります。私は、このスピード感こそが変化の激しい現代の製造業において最大の武器になると考えています。個別の企業が試行錯誤するのではなく、知見を共有するオープンな場があることは、日本全体の競争力を底上げするはずです。
2021年に売上5倍を目指す3Mの野心的な挑戦
2018年にロボット研磨市場へ本格参入したスリーエムジャパンは、2021年までに研磨材の売上を3年前の5倍にまで引き上げるという野心的な目標を掲げています。同社の日西勝事業部長は、深刻化する労働力不足を背景に、今後さらにロボット化の波が押し寄せると確信を持って予測しているようです。
台所用品の「スコッチ・ブライト」でもお馴染みの3Mですが、そのルーツは研磨材にあります。祖業で培った圧倒的な技術力を武器に、自動化が遅れている中小企業へも積極的な提案を行う構えです。単なる消耗品の販売にとどまらず、ソリューション全体を支援する姿勢からは、業界のリーダーとしての強い自負が感じられます。
人手不足はもはや避けて通れない課題ですが、こうした技術革新によって、人間はより創造的な業務にシフトできるのではないでしょうか。3Mの新たな挑戦が、日本の「ものづくり」の景色を劇的に変えていく様子を、これからも期待を持って見守っていきたいところです。
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