アメリカ合衆国の広大な大地には、先住民であるインディアンたちが守り続けてきた「居留地」が存在します。2019年12月14日現在、この聖なる地とも呼べる場所が、煌びやかなネオンが輝く巨大なギャンブルの殿堂へと変貌を遂げていることをご存知でしょうか。野口久美子氏の著書『インディアンとカジノ』は、知られざる先住民ビジネスの最前線を鮮明に描き出しています。
長きにわたり、彼らは人種差別や不平等な政策によって、深刻な貧困の淵に立たされてきました。教育や医療の機会を奪われたコミュニティが、生存をかけて選択したのが「インディアン・カジノ」の経営だったのです。SNS上では「先住民がカジノを運営しているなんて意外だ」という驚きの声とともに、その歴史的背景に同情を寄せるコメントが数多く寄せられています。
主権と特権が生んだ巨大ギャンブル産業の真実
なぜ居留地でカジノがこれほどまでに普及したのか、その鍵は「非課税特権」という法的な枠組みにあります。これは、アメリカ連邦政府が先住民部族を一定の自治権を持つ「国家内の国家」として認めているために生じる仕組みです。州の税金がかからないこの有利な条件を武器に、彼らは経済的な自立を目指す最後の手掛かりとして、賭博という劇薬に手を伸ばしたといえるでしょう。
専門的な用語で解説すれば、これは「部族主権」の行使の一環です。部族主権とは、先住民が自分たちの土地において独自の法律や行政システムを運用する権利を指します。本書では、この権利がビジネスに転用される過程が詳細に記されていますが、著者の語り口にはどこか糾弾するような厳しいニュアンスも感じられます。読者からは「社会の歪みを反映している」という鋭い指摘も上がっています。
私個人の視点としては、カジノ運営がもたらす収益が、部族の教育や福祉の向上に役立っている事実は否定できないと考えています。一方で、ギャンブル依存症の増加や犯罪組織の介入といった負の側面も無視はできません。2019年12月14日の時点で見つめるべきは、彼らをそこまで追い込んだ米国社会の構造そのものです。本書は、華やかなカジノの裏側に潜む、差別と生存の歴史を教えてくれる貴重な一冊となるでしょう。
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