精神的な不調を抱える人を支える家族のために、心強い味方が登場しました。医療関連のスタートアップ企業である株式会社ベータトリップは、うつ病患者の家族に向けたセルフケアサービス「ファミリーケア」を新たに開始します。これまではネット上を中心に展開していましたが、待望の対面型イベントに乗り出しました。
近年、精神的なケアの重要性が叫ばれる一方で、ケアを行う側の「家族のケア」は見落とされがちです。SNS上でも「患者本人への接し方が分からず孤独を感じる」「悩みを誰にも打ち明けられない」といった切実な声が数多く寄せられており、今回の対面支援には大きな期待が集まっています。
記念すべき交流の場は、2020年01月からスタートしています。東京都内に患者の家族が集まり、セミナー形式で温かい交流を深める内容です。精神科医が監修したワークシートを活用して自らの感情を整理するほか、専門的な心理カウンセリングの国家資格を持つ公認心理師がサポートに当たります。
この取り組みは月1〜2回のペースで開催される予定となっています。さらに、2020年の夏ごろには、遠方に住んでいて会場へ足を運べない人たちのために、ウェブ上での新サービスも検討されています。地域の壁を越えて悩みを共有できる仕組みは、多くの家族の救いになるでしょう。
ベースとなっているのは、2017年から同社が運営する家族向けサイト「エンカレッジ」です。ここではAI(人工知能)を用いた「自然言語処理システム」という最先端の技術が導入されています。これは人間が日常で使う言葉をコンピューターに分析させ、頻出する悩みの傾向を導き出す仕組みです。
2019年12月末時点で、このサイトの利用者は約3,600人に達しています。データによると利用者の半数以上が患者の「妻」ですが、子どもや親、恋人など立場は様々です。医師や薬剤師などの専門家から実践的な助言が得られる点も、孤独な心を癒やす大きな要因となっています。
患者を支える家族は、時に家事の負担が1人に集中したり、コミュニケーションの難しさに絶望したりすることがあります。だからこそ、こうした横のつながりや専門家を交えたセルフケアの環境が不可欠です。誰かを支える人を社会全体で支える仕組み作りが、今まさに求められています。
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