私たちのプライベートな情報が、まさかあんな形で危険にさらされていたなんて、本当に驚きを隠せません。神奈川県の行政データが大量に記録されたハードディスクドライブ(HDD)が外部に流れ出てしまったショッキングな事件を、みなさんも覚えていることでしょう。
この事件で窃盗の罪に問われている、情報機器処分会社「ブロードリンク」の元社員である高橋雄一被告の初めての裁判が、2020年2月10日に東京地方裁判所で開かれました。法廷に立った被告は、起訴された内容について「間違いございません」とはっきりと認めました。
検察側が明らかにした内容によると、データ消去の作業を担当していた被告は、オフィスに人がいなくなるタイミングを狙って製品を盗み出していたそうです。職場の信頼を裏切るような計画的な犯行の手口に、強い憤りを感じざるを得ません。
起訴状によりますと、被告は2019年12月3日に会社のデータ消去室からHDD12個(およそ2万4千円相当)を盗み出したとされています。警察の調べに対して、ネットオークションで転売してお金に換えることが目的だったと供述しており、あきれた動機に批判が集まっています。
さらに驚くべきことに、社内調査では2016年の入社以降、なんと約7900個もの機器がオークションに出品されていたことが分かっています。データの保存媒体も多数含まれており、会社側はこれらすべてが盗難品であるかどうかの確認を急いでいる状況です。
ネット上では「管理体制がズサンすぎる」「自分の情報も流れているかもしれない」といった、悲痛な声やセキュリティ体制を疑問視する書き込みが相次いでいます。大切なデータを扱う企業として、あまりにも危機意識が低かったと言わざるを得ないでしょう。
流出した納税記録と官公庁へ広がる大波紋
今回問題になっている12個とは別に、神奈川県庁のバックアップデータが入った18個のHDDも実際に転売されていました。ここには個人の名前や住所が書かれた大切な納税の記録など、絶対に外に漏れてはいけない重要な情報が詰まっていたのです。
県が借りていたサーバーの契約が2019年春に終了したため、機器が返却され、ブロードリンク社に「データ消去(初期化)」の作業が任されました。データ消去とは、専用のソフトや物理的な破壊によって、中の情報を二度と復元できないようにする極めて重要な工程です。
しかし、その担当者が自らデータを持ち出して売却するという、最悪のモラルハザードが起きてしまいました。該当の18個はすでに回収されたものの、被告は2020年1月にこれらを含む容疑で再逮捕されており、事態は深刻さを増すばかりです。
この事件をきっかけに、同社へ作業を依頼していた多くの官公庁や大企業が、情報漏洩の確認に追われる大混乱となりました。利便性を追求するあまり、廃棄のプロセスの監視を他人に任せきりにすることの恐ろしさを、私たちは深く胸に刻むべきでしょう。
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