首都圏の通勤・通学を支える大動脈、つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道が、長年の課題であった混雑の抜本的な緩和を目指し、大きな一歩を踏み出しました。2019年5月31日、同社は現在6両で運行している列車を8両編成に増やす計画を正式に発表したのです。沿線地域の人口増加はとどまるところを知らず、今後さらなる利用者の増加が見込まれる中、この決断は多くの利用者にとって朗報となるでしょう。
この8両編成化は、まさに「通勤地獄」とも呼ばれる朝のラッシュ時間帯の混雑率を劇的に改善するための切り札です。計画では、2019年度から工事に着手し、2030年代前半のサービス開始を目指すとしています。編成を2両増やすことで、輸送力は約30%も向上する見込み。これほどの大規模な輸送力強化は、長年TXを利用する方々にとって、待ちに待ったニュースと言えます。
ただし、この一大プロジェクトの実現には、長い年月と巨額の投資が必要です。具体的な工事としては、全駅のホーム延伸、電力を供給する変電所(へんでんしょ)の能力増強、そして車両の検査・整備を行う総合基地(そうごうきち)内の設備の新設や増強などが挙げられます。設備関係の工事費だけで約360億円が見込まれており、車両の調達費はこれに上乗せされることになります。線路や駅の構造を大幅に変更する必要があるため、工事は終電から始発までのわずか2〜3時間に限定して実施されます。このため、10年を超える期間が必要となる見通しなのです。
同社は、まず2020年春に新型車両を投入し、これにより現状169%にも達する朝ラッシュ時間帯の混雑率(定員に対する乗車人数の割合を示す指標)を155%まで引き下げる計画です。そして、今回の8両編成化によって、この混雑率を国の基準とされる150%を下回る水準まで緩和することが可能であると試算しています。これは、単に列車に乗れるだけでなく、新聞を読んだり、スマートフォンを快適に操作したりできる程度のゆとりが生まれることを意味するでしょう。
増え続ける利用者と利用者の反響
この発表と同日に公表された2018年度の営業実績も、TXの成長ぶりを裏付けています。営業収益は対前年度比4%増の463億円、経常利益は1%減の60億円となりました。経常利益は微減したものの、開業以来、利用者は増加の一途をたどっており、TXが沿線地域の発展に不可欠なインフラであることを示しています。この増収傾向が、今回の大型投資を可能にする基盤となっていると言えるでしょう。
この発表に対するSNS上の反響は非常に大きなものでした。「やっとか!」「通勤時間が少しでも快適になるなら嬉しい」といった期待の声が多数を占めています。特に、沿線住民からは「ホームの延伸工事を見届けたい」「2030年代前半まで長いけれど、計画が具体化したことは評価できる」など、この抜本的な対策への賛同が多く見受けられます。一方で、「工事期間が長すぎる」「もっと早く実現できないのか」といった早期実現を望む声も少なくありません。利用者の方々の切実な思いが伝わってくる反応です。
編集者としての私の意見ですが、今回の8両編成化計画は、利用者の生活の質(QOL)を向上させるために不可欠な英断だと考えます。現在の混雑率は、乗客にかなりのストレスを与えており、このままでは沿線地域の魅力そのものが失われかねません。確かに、10年以上の期間は長く感じられますが、既存の路線を運行させながら行う工事の難易度を考えれば、この期間は現実的な目標設定でしょう。首都圏新都市鉄道には、安全を最優先しながらも、可能な限り前倒しでの実現を目指して、尽力していただきたいと強く願うところです。
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