東北楽天ゴールデンイーグルスのファンが、これほどまでに一人の男の帰還を待ちわびた日はなかったでしょう。2019年07月10日、本拠地である楽天生命パーク宮城のマウンドに、ついに背番号14が戻ってきました。右肘の故障から復帰した則本昂大投手は、今シーズン初登板にして、チームの苦境を救う圧巻のパフォーマンスを披露したのです。
この日の則本投手は、初回からフルスロットルの投球を見せつけます。マウンド上で静かに空を見上げた後、投じられた初球は149キロのストレートでした。いきなり2者連続三振を奪うという最高の立ち上がりを見せ、球場全体のボルテージは一気に最高潮へ達します。まるで空白の時間を埋めるかのような、力強く鋭い腕の振りが印象的でした。
試合は則本投手の粘り強さが光る展開となります。2回には二死二、三塁のピンチを招きますが、落ち着いて若月選手を遊飛に打ち取って得点を与えません。さらに3回、わずか1点リードの緊迫した場面では、オリックスの主砲である吉田正尚選手を右飛に抑え込みます。ピンチになるほど増す集中力は、まさにエースの証明と言えるでしょう。
今回、則本投手が受けていたのは「クリーニング手術」という処置です。これは長年の酷使によって肘の関節内に溜まった軟骨の破片、通称「ネズミ」などを取り除き、スムーズな動きを取り戻すためのものです。プロ入りから6年連続で2桁勝利を挙げてきた彼にとって、この決断はさらなる進化を遂げるための、前向きな一歩だったに違いありません。
6回を投げ抜き、被安打3、無失点、6奪三振という完璧な内容でマウンドを降りました。球数は90球を数えましたが、最後まで球威が衰えることはありませんでした。チームは5対0で快勝し、泥沼の10連敗からついに脱出を果たしました。お立ち台で「お待たせしました!」と叫んだ彼の笑顔は、ファンの不安を完全に払拭したはずです。
SNS上でもこの復活劇には大きな反響が寄せられています。「やっぱり楽天のエースは則本しかいない」「負の連鎖を断ち切る姿に涙が出た」といった感動の声が溢れ返りました。また、「10連敗を止めるために帰ってきた、まさにヒーローだ」と、彼の並外れた勝負強さを称賛するツイートがタイムラインを埋め尽くす事態となっています。
個人的な見解を述べさせていただくと、則本投手の真価は技術以上にその「魂」にあると感じます。連敗中という重圧のかかる場面で、自らの復帰戦をぶつけて結果を出す精神力には驚かされるばかりです。彼のような存在が中心にいる限り、イーグルスの反撃はここから本格化していくでしょう。一人の投手が流れを変える、野球の醍醐味を感じました。
「この先もチームが勝てるように、一生懸命に腕を振る」と誓った則本投手。右肘の不安を解消し、文字通りフル回転の準備が整ったようです。交流戦明けの苦しい時期を乗り越え、再び上位進出を狙うチームにとって、この復活勝利は数字以上の価値を持っています。杜の都に再び熱い夏がやってくることを予感させる、素晴らしい1日となりました。
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