日本の株式市場がいよいよ大きな転換期を迎えようとしています。金融庁は2019年08月に、SBIジャパンネクスト証券とチャイエックス・ジャパンという私設取引システム(PTS)を運営する2社に対し、待望の「信用取引」の取り扱いを正式に認可しました。これまで東京証券取引所が独占状態にあったこの分野に、ついに自由競争の風が吹き込むことになります。
そもそも「信用取引」とは、投資家が証券会社からお金を借りて株を買ったり、株を借りて売ったりする仕組みのことです。手元の資金以上の取引ができるため、個人投資家の売買シェアのうち約7割を占めるほど人気があります。しかし、これまではこの取引が東証などの公設取引所に限定されていたため、PTSの利用は現物取引に留まっており、市場の活性化を阻む壁となっていました。
PTSの躍進がもたらす「最良執行」という新たな常識
今回の解禁を受けて、ネット証券最大手のSBI証券などが早速注文の取り次ぎを開始しており、投資家の間では大きな話題となっています。SNS上でも「夜間でも信用取引ができるのは画期的」「東証より有利な価格で約定するチャンスが増える」といった前向きな反響が広がっており、利便性の向上に対する期待値は非常に高いと言えるでしょう。
特筆すべきは、米国のように複数の市場が競い合うことで、投資家がより有利な価格で取引できる「市場間競争」が加速する点です。PTSは東証よりも刻み値(価格の変動単位)を細かく設定できる場合が多く、結果として東証より安く買い、高く売るチャンスが生まれます。こうした「最良執行」の機会が増えることは、私たち個人投資家にとって最大の恩恵となります。
私は、今回の規制緩和が単なるシステムの追加ではなく、日本の金融市場が国際基準へと進化するための重要な一歩だと考えています。特定の一箇所に注文が集中する「一極集中」の状態は、システムの障害リスクや手数料の硬直化を招きかねません。PTSの存在感が高まることで、東証側にもサービスの改善や手数料の見直しを迫る健全なプレッシャーがかかるはずです。
もちろん、複数の市場から最適な価格を探し出すツールや、証券会社側のインフラ整備など、まだ課題は残されています。しかし、2019年09月03日現在のこの熱気を見る限り、PTSが投資戦略の主役へと躍り出る日はそう遠くないでしょう。投資家が自由に、そしてより賢く取引場所を選べる時代の幕開けを、私たちは今まさに目の当たりにしているのです。
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