2019年07月02日、国税庁が発表した最新の路線価データは、東北地方の不動産市場における大きな転換点を示唆するものとなりました。秋田県、青森県、岩手県、山形県の4県全体では依然として下落傾向が続いているものの、特筆すべきはその「下落幅」が着実に縮小している点です。各都市の主要地点では、長年の停滞を打ち破るような活気ある動きが表面化しており、地域経済の再生に向けた確かな鼓舞を感じずにはいられません。
特に注目を集めているのが秋田県です。県内で最も地価が高い「秋田市中通2丁目 秋田駅前通り」が、前年比で4.2%の上昇を記録しました。この地点が上昇に転じるのは実に27年ぶりの快挙であり、秋田駅周辺で進められている大規模な再開発が、明確な呼び水として機能していることが分かります。SNS上でも「駅前の雰囲気が変わってきた」「新しい建物が増えてワクワクする」といった、地元の変化を歓迎するポジティブな声が多く寄せられています。
具体的なプロジェクトに目を向けると、2019年冬にはスポーツの拠点となる「秋田ノーザンゲートスクエア」が完成を控えています。さらに2020年春には学生向けマンションが、同年秋には北都銀行が主導する高齢者向け分譲マンション「クロッセ秋田」が誕生する予定です。こうした多世代が集う街づくりが進んだ結果、標準宅地の下落率は6年ぶりに全国最下位を脱出しました。編集者の視点としても、単なる商業利用に留まらない「住機能」の強化が地価を押し上げた好例だと感じます。
青森・岩手・山形で加速する都市機能の集約と再開発の波
青森県でも中心市街地の活性化が顕著に見られます。最高地点の「青森市新町1丁目 新町通り」では、2018年に青森市役所の窓口業務が駅前の商業ビル「アウガ」へ移転したことで、平日・休日を問わず人通りが劇的に増加しました。利便性の向上に伴いホテル進出も相次いでおり、専門家によれば、老舗百貨店「中三青森店」跡地の再開発計画などが追い風となり、2020年以降はさらなる地価上昇が期待できる局面にあるようです。
ここで「路線価」という言葉について解説しましょう。これは道路に面した標準的な宅地1平方メートルあたりの評価額を指し、相続税や贈与税を算出する際の基準となるものです。つまり、路線価が上昇するということは、その土地の資産価値が公的に認められ、投資対象としての魅力が高まっている証拠でもあります。岩手県においても、盛岡市や病院移転が進む矢巾町を中心に住宅需要が旺盛で、一部では投資目的の取引も見られ始めています。
山形県では、山形市の土地利用規制緩和が大きな呼び水となっています。長年駐車場として利用されていた駅前の商業施設跡地では、ついに具体的な再開発計画が動き出しました。佐藤孝弘市長のリーダーシップによる積極的な開発支援は、周辺自治体から「一極集中」を警戒されるほどの勢いを見せています。私は、こうした各県の「選択と集中」による拠点作りこそが、地方都市が生き残るための避けては通れない戦略であり、今後の東北をより魅力的な地域に変えていく鍵になると確信しています。
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