2020年2月4日現在、世界中が注視する新型コロナウイルスによる肺炎の拡大。この危機的状況に対し、世界保健機関(WHO)は大きな一手を打ちました。今週中にも専門家チームを中国へ派遣し、現地当局と協力して感染拡大を食い止めるための具体的な対策を協議することを決定したのです。テドロス事務局長は、3日に開催された執行理事会において、改めて事態の重大さとWHOの指針を世界へ向けて発信しました。
今回の理事会で最も強調されたのは、過度な自衛策が招く経済的な混乱への懸念です。テドロス氏は「渡航や貿易を不必要に妨げるべきではない」と強く訴え、冷静な対応を求めています。しかし、事態は刻一刻と変化しており、各国の対応は分かれています。例えば、シンガポールは中国人への新規ビザの発給停止を決定し、イタリアは中国との航空便運航をストップさせるなど、独自の防衛ラインを築く動きが加速しているのが実情です。
交錯する各国の思惑と科学的根拠の重要性
こうした各国の厳しい制限措置に対し、中国代表は理事会の場で「これらはWHOの勧告に反している」と真っ向から反論しました。彼らの主張は、「恐れではなく事実が、噂ではなく科学が必要である」という点に集約されています。感染への恐怖心が先行し、不確実な情報に基づいて国境を閉ざすような事態は避けたいという中国側の焦りと、科学的知見に基づいた正しい対策を重視してほしいという切実な願いが垣間見えます。
実際、SNS上では「科学的根拠に基づかない制限は逆にパニックを助長する」という冷静な意見と、「自国を守るためには国境封鎖もやむを得ない」という不安の声が入り乱れ、世論も二分されている様子が見受けられます。私個人としても、公衆衛生上の危機において、政治的な判断が科学的な判断を追い越してしまうことの危うさを強く感じています。正しい情報を冷静に選別するメディアの役割が、今ほど重要視される時期はありません。
WHOが1月30日に緊急事態宣言を発令した背景には、中国国外でも人から人への感染が確認されたこと、そして医療態勢が未整備な国々への感染拡大が大きな脅威であるとの危機感がありました。当時、感染者は1万7千人を超え、死者は360人以上にのぼっていました。WHOは中国の努力が感染の封じ込めに寄与していると高く評価していますが、世界は今、未知のウイルスと向き合う非常に繊細な舵取りを求められています。
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