2019年07月12日、警察庁から衝撃的な発表が行われ、世間に大きな波紋を広げています。警察官の昇任試験向けの問題集を制作している出版社からの依頼に基づき、無許可で問題や解説を執筆して報酬を受け取っていたとして、警察庁と同庁および11道府県警に所属する計21人の警察官が厳しい処分を下されました。国民の模範となるべき立場にある警察官が、営利活動を制限する公務員規定に抵触していた事実は、組織の信頼を揺るがす重大な事態といえるでしょう。
今回の事案で特筆すべきは、処分の対象となった顔ぶれです。計21人のうち、最も重い懲戒処分を受けた3人は、なんと警視正(けいしせい)という高位の役職を含む幹部たちでした。彼らはこの不祥事の責任を取り、2019年07月12日付ですでに辞職しています。警視正とは、警察組織において上から4番目の階級であり、通常は大規模な警察署の署長や本部の部長クラスを務めるエリート街道の役職です。そのような立場にある者が規律を軽視していた点に、驚きの声が上がっています。
SNS上では、「試験を作る側が金をもらって原稿を書いていたら公平性が保てないのではないか」といった憤りの声や、「現職のノウハウが外部に漏れるのは問題だ」という危機感を募らせる投稿が相次ぎました。一方で、警察官のキャリアアップに不可欠な昇任試験の教材を、現場を熟知したプロが執筆するという構造自体が、以前から慣習化していた可能性を指摘する意見も散見されます。適正な手続きを踏まないまま、裏側で現金がやり取りされていた不透明さが、今回の批判の核心にあると推察されます。
そもそも公務員には「副業禁止」の原則が存在しますが、これには明確な理由があります。職務に専念すべき義務があるだけでなく、公権力を持つ者が特定の企業から利益を得ることで、行政の公平性が損なわれるのを防ぐためです。今回は「昇任試験」という、組織内の人事評価に直結するコンテンツが舞台となりました。もし試験の作成に関与し得る人物が、特定の出版社に有利な情報を提供していれば、それはもはや単なる副業の枠を超えた、組織の根幹を揺るがすスキャンダルへと発展しかねません。
私自身の見解としては、警察組織における倫理観の再構築が急務であると感じます。プロフェッショナルが知見を活かして後進のために教材を作る情熱自体は否定されるべきではありませんが、それが隠れて行われる「アルバイト」であってはなりません。透明性の高い仕組みを構築し、許可を得た上で公式な知の共有を行うべきだったのではないでしょうか。2019年07月13日現在、警察庁はこの不祥事を受けて綱紀粛正を徹底する構えを見せていますが、失われた市民の信頼を回復するには、相当な時間が必要になるでしょう。
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