2019年のゴルフ界を締めくくるメジャー最終戦、全英オープンがいよいよ幕を開けます。開幕を2日後に控えた2019年07月16日、北アイルランドのロイヤルポートラッシュGCに、生ける伝説タイガー・ウッズ選手が姿を現しました。大会3勝を誇る王者がどのような表情で現れるのか世界中が注目していましたが、その表情は非常に落ち着いており、自信に満ちあふれたものでした。
今回の調整過程において、周囲からは驚きの声が上がっています。というのも、ウッズ選手は21位という結果に終わった全米オープン以降、約4週間もの間、公式戦に出場せず休養に充てていたからです。実戦感覚を重視するプロの世界では異例とも言えるこの空白期間に対し、SNS上では「試合勘は大丈夫なのか」と不安視するファンの声がある一方で、「マスターズを制した時のような、タイガーらしいマイペースな調整だ」と期待を寄せる書き込みも目立っています。
記者会見の場において、自身のコンディションに関する質問が飛ぶと、ウッズ選手は泰然自若とした態度で答えました。過密スケジュールを懸念する声に対し、「昨年は少し試合に出過ぎてしまっただけだ」と語り、現在のゆとりある調整が自分にとって最適であることを強調しています。体力的な消耗を避け、精神的な鋭さを研ぎ澄ませることに重きを置く、彼なりの計算がそこには隠されているのでしょう。
ここで注目すべきは、彼が発した「あとは頭の体操だけだ」という言葉です。これはゴルフにおけるメンタルコントロールや、コースマネジメントを指しています。コースマネジメントとは、風向きや地形、自分のミスの傾向を考慮して、最もリスクが少なくスコアをまとめやすいルートを選択する知的な戦略のことです。フィジカルの準備が整った今、彼が最後に行うべきは、この緻密なシミュレーションのみであると言えます。
筆者の個人的な見解としては、現在のウッズ選手にとって、かつてのような強行軍はもはや必要ないのだと感じます。酸いも甘いも噛み分けた今の彼には、自分の体がいつ休むべきかを正確に判断する「老練な知恵」が備わっています。若手選手が勢いで攻める中、経験に裏打ちされた戦略でじわじわと相手を追い詰めるスタイルこそ、リンクスコースという過酷な舞台で真価を発揮するのではないでしょうか。
2019年07月18日から始まる本番では、この「ゆとり」が吉と出るか、あるいは実戦不足が露呈するか、その答えが明らかになります。しかし、どのような状況でも観客を魅了し、ドラマを作り出してきたのがタイガー・ウッズという男です。ロイヤルポートラッシュの風の中で、彼がどのような「頭の体操」の結果を見せてくれるのか、ゴルフファンならずとも目が離せない4日間になりそうです。
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