2019年8月21日、神奈川県厚木市に拠点を置く外壁塗装会社「ユーコーコミュニティー」において、衝撃的な事実が明らかになりました。新入社員として入社したばかりの女性2人がうつ病を発症し、その原因がセクシャルハラスメントや過酷な長時間労働にあったとして、労働基準監督署から労災認定を受けたのです。夢を持って社会に飛び出した若者を待ち受けていたのは、あまりにも残酷な労働環境だったと言わざるを得ません。
代理人弁護士らによる東京都内での記者会見によれば、2019年1月に平塚労基署、同年7月に厚木労基署がそれぞれ労災を認定したとのことです。「労災認定」とは、仕事が原因で怪我や病気になったことを公的に認める制度で、これにより治療費や休業補償が給付されます。精神疾患での認定はハードルが高いとされていますが、今回のケースでは、会社側の度を越した過失が明白であったことが伺えます。
2017年4月に希望を胸に入社した2人は、わずか半年後の2017年11月にはうつ病という深い心の傷を負うことになりました。彼女たちは美術大学を卒業し、その感性を活かせる技術職を志していましたが、配属されたのは過酷な営業職だったのです。1日に200軒もの住宅を訪問するという、新入社員には到底達成困難なノルマが課せられていたという事実に、胸が締め付けられる思いがいたします。
さらに耳を疑うのは、社内で行われていたハラスメントの実態です。上司から不適切な身体接触を受けたり、同僚の面前で会長から「おまえは皆から嫌われる」といった人格を否定するような言葉を浴びせられたりしていました。これらは、優越的な立場を利用して精神的苦痛を与える「パワーハラスメント」の典型例であり、決して許される行為ではありません。社員を守るべき立場の人々が、率先して牙を剥いていたのです。
極めつけは、セクハラの被害を訴えた際の会長の対応でしょう。被害を受けた女性に対し、「セクハラは神様が与えた試練だ」と言い放ち、耐えることを強いたというのです。個人の尊厳を蔑ろにするこの発言は、現代の企業倫理から大きく逸脱しています。苦しんでいる社員に対し、宗教的な言い回しで被害を矮小化しようとする姿勢には、怒りを通り越して強い空虚さを感じてしまいます。
労働基準監督署の調査によれば、発症直前の1ヶ月間の残業時間は85時間を超えていたとされています。これは、健康障害のリスクが急激に高まるとされる、いわゆる「過労死ライン」を突破している数字です。朝から晩まで駆け回り、心身ともに限界を迎えていた彼女たちの状況を想像すると、その苦しみは計り知れません。企業側が主張していた「女性が活躍できる会社」という看板が、虚しく響きます。
ネット上ではこのニュースに対し、「神様の試練なんて言葉で片付けるのは卑怯すぎる」「美大生が塗装を志した夢を潰さないでほしい」といった、憤りや悲しみの声が溢れています。特に、若者の未来を奪うような過重労働に対しては、厳しい批判の目が向けられているようです。SNSを通じて多くの人がこの問題に注目しており、企業のあり方を問う大きな波が起きていることを肌で感じます。
編集部が考える、現代企業に求められる真の誠実さ
今回の一件を受けて、私は企業が掲げる「キラキラした言葉」の危うさを再確認しました。女性活躍を謳いながら、その裏でセクハラやパワハラが常態化し、見て見ぬふりをされる環境は、企業の体をなしていないと言えるでしょう。形だけのダイバーシティ推進ではなく、一人ひとりの社員が人間として尊重され、安心して働ける環境こそが、今の日本社会に最も求められている土台ではないでしょうか。
ユーコーコミュニティー側は「大変遺憾」としつつも、調査内容を確認できていないとして詳細なコメントを控えています。しかし、2人の若者が未来を閉ざされかけた事実は消えません。この記事を通して、一人でも多くの方が労働環境のあり方について考え、理不尽な状況に声を上げられる社会になることを切に願います。働くことは、決して自分を壊すための試練であってはならないのですから。
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