私たちが毎日何気なく使っているスマートフォンやパソコンですが、もし自分に万が一のことがあったとき、その中身がどうなるか考えたことはあるでしょうか。近年、亡くなった方がネット上や端末に残したデータ、いわゆる「デジタル遺品」の取り扱いが大きな注目を集めています。ITジャーナリストの古田雄介氏による著書『スマホの中身も「遺品」です』は、まさにこの現代特有の課題に切り込んだ一冊として、多くの読者に強い衝撃を与えているのです。
SNS上でもこの問題に対する関心は非常に高く、「親が亡くなったときにスマホのパスロックが解除できなくて本当に困った」という切実な声が続出しています。その一方で、「自分が死んだ後に、見られたくない検索履歴や秘密のファイルを家族に見られるのは絶対に避けたい」といった、プライバシーの保護を心配する本音も数多く飛び交っていました。残された遺族にとっては、故人が生前に撮影した思い出の写真や動画は、何としてでも取り出したい大切な形見となるでしょう。
しかしその一方で、誰しも他人に知られたくない秘密のデータの一つや二つは持っているのが現実ではないでしょうか。このように、デジタル遺品には「遺族が遺したいもの」と「故人が隠したいもの」という、相反する二つの側面が存在している点が非常に厄介です。だからこそ、現実の財産や家財道具を整理するのと同様に、私たちが元気なうちからインターネット上のデータについても、計画的に「終活」を進めておくことが不可欠な時代を迎えています。
ここで言う「終活」とは、人生のエンディングに向けて身の回りの整理や準備を行う活動全般を指す言葉です。デジタル分野における終活では、万が一の際に家族にデータを託すためのパスワード管理や、見られたくないデータを自動で消去する仕組み作りなどが該当します。本書は、中央公論新社から2020年01月15日に税別880円で発売されており、私たちが今すぐ取り組むべき具体的な対策を分かりやすく教えてくれる、まさに必読のバイブルと言えます。
私はこの課題について、すべての現代人が一刻も早く向き合うべき極めて重要なテーマであると考えます。これほどスマートフォンが普及した社会において、自らのデジタル情報を放置することは、残された大切な家族に大きな負担やトラブルを押し付けることと同義だからです。自分がこの世を去った後、遺族を困らせず、同時に自分の尊厳も守るために、まずは今日からスマホの中身を整理する一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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