2019年10月に列島を襲った台風19号の影響により、長らく通行止めが続いていた国道413号、通称「道志みち」が、2019年12月26日にようやく通行を再開しました。今回、制限が解除されたのは神奈川県相模原市緑区の青野原から青根までの約5.9キロメートルにわたる区間です。一部では片側交互通行が続いていますが、山梨方面への大がかりな迂回を強いられていた利用者にとって、この一歩は非常に大きな意味を持つでしょう。
SNS上では「やっとホームコースに戻れる」「復旧作業に携わった方々に感謝しかない」といった喜びの声が溢れており、ドライバーやサイクリストたちの安堵感が伝わってきます。この道は、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックにおいて、自転車ロードレースの勝負どころとなる重要なコースでもあります。世界中のトップアスリートが駆け抜ける舞台の復旧は、大会の成功に向けた希望の光と言えるのではないでしょうか。
国と市が連携した懸命の復旧作業と、今後の集中工事について
今回の復旧には、行政の垣根を越えた協力体制がありました。特に被害が深刻だった湯口沢橋と境沢橋の手前付近については、国の「権限代行」という制度を用いて、相模原市に代わり国が迅速に工事を主導したのです。権限代行とは、自治体だけでは対応が難しい大規模災害時に、専門的な技術を持つ国が直接インフラを整備する仕組みを指します。その他の区間についても、相模原市が懸命に整備を進め、年内の開通へと漕ぎ着けました。
ただし、今回の再開はあくまで暫定的なものです。2020年1月16日から2020年3月下旬にかけては、のり面の防護工事などを集中的に行うため、再び全面通行止めとなる予定が組まれています。のり面とは、道路を作るために削ったり盛ったりしてできた斜面のことですが、ここを強固に固めることは、将来の土砂崩れを防ぐために不可欠な作業です。春の本開通に向けた、いわば「生みの苦しみ」の期間となるでしょう。
個人的には、今回の迅速な対応こそが日本のインフラ維持の底力だと感じています。特に、地域の生活道路でありながら、国際的なスポーツイベントの象徴でもある「道志みち」を守ることは、地域の誇りを守ることと同義です。一時的な不便は伴いますが、2020年の夏にこの美しい緑の中を選手たちが疾走する姿を想像すると、徹底した安全対策は歓迎すべきことでしょう。安全な道があってこそ、最高のレースは成立するのですから。
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