2019年の神奈川県は、スポーツの興奮と新たな観光スポットの誕生に沸き、まさに「躍進」という言葉が相応しい1年となりました。特に世界中の注目を集めたラグビーワールドカップ2019の開催は、県内に空前の盛り上がりをもたらしたのです。横浜市では決勝戦を含む計6試合が行われ、当初の集客不安を吹き飛ばすほどの熱狂に包まれました。SNS上でも「一生に一度の体験ができた」「ラグビーの面白さに目覚めた」といった感動の声が溢れ、ファンゾーンには国内外から多くの人々が詰めかけています。
スポーツ界の快進撃はラグビーに留まりません。サッカーJ1では横浜F・マリノスが15年ぶりとなる劇的なリーグ優勝を果たし、街中がお祝いムード一色となりました。百貨店のセールや金融機関の特別金利キャンペーンなど、経済的な波及効果も目覚ましいものがあります。また、プロ野球の横浜DeNAベイスターズもセ・リーグ2位と躍進し、主催試合の観客動員数は2019年シーズンに過去最多の228万人を記録しました。こうしたスポーツの力は、地域の一体感を高める強力なエンジンとなっているようです。
横浜の景色を変える新施設が続々とオープン
観光面では、みなとみらい21地区が劇的な進化を遂げたことが印象的です。2019年10月31日には、客船ターミナルと食をテーマにした商業施設が融合した「横浜ハンマーヘッド」が開業しました。ここでは船の旅を楽しむ層だけでなく、地元客もグルメを満喫できる点が大きな魅力です。さらに、2019年7月7日には「横浜アンパンマンこどもミュージアム」が移転オープンし、2019年9月20日には2000室を超える巨大な「アパホテル&リゾート 横浜ベイタワー」が誕生するなど、受け入れ態勢が急速に整いました。
夜の横浜を彩る新たな試みとして、2019年11月からは「ナイト・シンク・ヨコハマ」が始まりました。これは、これまで課題とされてきた「ナイトタイムエコノミー」を活性化させるための光の演出イベントです。ナイトタイムエコノミーとは、夜間(18時から翌朝6時まで)の経済活動を指し、観光客が夜遅くまで滞在して消費を楽しむ仕組みのことです。このイベントにより、横浜の夜景に新たな付加価値が加わりました。最新技術を駆使した光のアートは、SNS映えするスポットとして若者層からも高い支持を得ています。
自然災害とインフラ事故から学ぶべき教訓
光り輝く話題の裏側で、2019年は安全対策の重要性を再認識させられる年でもありました。2019年9月の台風15号や10月の台風19号は、県内に甚大な被害を及ぼしたのです。特に横浜臨海部の工業団地では浸水被害が発生し、箱根では記録的な豪雨により箱根登山鉄道の橋脚が流出するなど、観光地も深い傷を負いました。鉄道各社が導入した「計画運休」は混乱を最小限に抑える一助となりましたが、今後の災害対策や復旧スピードが地域経済を守る鍵になることは間違いありません。
私は、2019年の神奈川が示した「攻め」の姿勢を高く評価しています。スポーツや新施設での集客は、来たる東京2020オリンピックに向けた素晴らしいリハーサルになったはずです。一方で、インフラ事故や自然災害への脆さが露呈した点は、官民一体となって克服すべき課題でしょう。SNSでの反応を見ても、便利さだけでなく「安心・安全」への要望は年々高まっています。2019年に得た成功と教訓を糧に、より強靭で魅力的な観光都市へと成長していくことを切に願ってやみません。
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