世界情勢が激しく揺れ動く中、各国の経済格差が浮き彫りになっています。日本貿易振興機構(ジェトロ)の最新データから、世界ビジネスの今を編集部が読み解きます。SNS上でも「これからの投資先を見極める重要な指標になる」と、ビジネスパーソンを中心に大きな注目を集めている状況です。
まず驚きのニュースが入ってきたのはメキシコです。メキシコ社会保険庁は、2019年の民間正規雇用の増加数が過去10年間で最低となる34万2077人にとどまったと明かしました。2019年1月から9月までの経済成長率が前年同期比で0.0%という、いわゆる「ゼロ成長」に陥っていることが原因でしょう。
ゼロ成長とは、国の経済規模が拡大も縮小もせず停滞している状態を指します。2018年12月にアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール政権が誕生して以降、雇用の伸びは急減速しているのが現状です。新政権の政策に対する企業の警戒感が、採用活動のブレーキになっている印象を強く受けます。
米中貿易摩擦が生んだ台湾の躍進とブラジルの特需
その一方で、目覚ましい躍進を遂げているのが台湾です。台湾財政部の発表によると、2019年の米国向け輸出が過去最高を記録しました。12月単月だけでも前年同月比12.9%増の41億9776万ドルに達しており、日本や中国向けも電子部品を中心に極めて好調な推移を見せています。
この背景には、米中貿易摩擦によってサプライチェーン(部品の調達から消費者に届くまでの供給網)を見直す動きが影響していると考えられます。ネット上でも「台湾企業の対応力の高さが証明された」と称賛する声が相次いでおり、今後のアジア市場を牽引する存在になるのは間違いないでしょう。
さらに、南米ブラジルからも明るい話題が届いています。ブラジル牛肉輸出業協会は、2019年の牛肉輸出量と金額がともに過去最高になったと発表しました。これは中国で発生した「アフリカ豚コレラ(致死率が極めて高い豚の伝染病)」による殺処分の結果、代替のタンパク源としてブラジル産牛肉の需要が爆発したためです。
中国への輸出額は前年比で80%も急増しており、まさに特需に沸いていると言えます。一つの国の政情や衛生環境の変化が、地球の裏側の経済をこれほどまでに潤すという事実は、現代のグローバル経済の縮図を見ているようで非常に興味深い現象です。
アジアの新たな挑戦と韓国が直面する投資減少の波
勢いがあるのは南米だけではありません。フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、過去最大規模となる2020年の国家予算案に署名しました。予算総額は4兆1000億ペソに上り、これは同国の国内総生産(GDP)の約2割に匹敵する巨額の投資計画です。
大統領は2022年までに貧困率を14%へ引き下げ、7.5%の経済成長を達成するという強い抱負を語っています。予算の約3割がインフラ整備などの経済サービスに投入される予定であり、フィリピンが「魅力的で先進的な国」へ変貌を遂げる日も近いのではないでしょうか。
また、中央アジアのウズベキスタンでも、シャフカト・ミルジヨエフ大統領が日本との交流を拡大するための大統領決定に署名しました。政治や経済、文化、科学技術といった幅広い分野で日本との絆を強化する方針です。親日国としての関係がさらに深まることは、日本企業にとっても大きなチャンスでしょう。
その一方で、やや陰りが見えるのが隣国の韓国です。韓国の産業通商資源部が発表したデータによると、2019年の対内直接投資額(外国の企業が韓国国内へ工場や拠点を設立するために投じた資金)は、過去最高だった前年から13.3%も減少してしまいました。
化学や医薬品分野は急増したものの、自動車などの輸送用機械や金属加工が大きく落ち込んだことが響いています。SNSでも「周辺国との外交関係や労働環境の変化が影響しているのでは」と懸念する声が上がっており、韓国経済は今、ビジネスモデルの変革を迫られる重要な局面を迎えていると言えます。
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