2019年08月21日、世界のハイテク産業を支える「産業のコメ」とも言われる半導体市場から、非常に厳しいニュースが舞い込んできました。主要な半導体メーカー15社の決算が出揃いましたが、そのうち13社が最終的な利益を減らすという、市場全体が冷え込む異例の事態に直面しています。
特に世界シェアのトップに君臨する韓国のサムスン電子は、純利益が前年同期に比べて約6割も減少するという衝撃的な決算となりました。この急激な減速の背景には、私たちの生活に欠かせないスマートフォンの普及が一巡し、製品の買い替え需要が世界的に停滞していることが大きな要因として挙げられるでしょう。
ここで言う半導体とは、電気の流れを制御して情報の演算や記憶を行う小さな部品のことで、現代のあらゆる電子機器の頭脳や心臓部として機能しています。今回の決算では、特に画像や文書などのデータを保存する役割を持つ「メモリー」と呼ばれる分野の価格が大きく下落したことが、各社の収益を激しく圧迫したと思われます。
米中貿易摩擦がデータセンター投資に与える深刻な影響
市場をさらに冷え込ませているのが、現在進行形で激化しているアメリカと中国の貿易摩擦なのです。この国家間の対立はサプライチェーンに不透明感をもたらし、インターネット上の膨大なデータを24時間体制で処理・蓄積する施設である「データセンター」への設備投資を、世界中の企業に躊躇させてしまいました。
一方で、すべての企業が等しく苦境に立たされているわけではない点にも注目すべきではないでしょうか。例えば、演算処理を得意とするCPUで高いシェアを持つ米インテルなどは、メモリー分野を主力とするサムスンと比較して、今回受けた利益面での打撃は比較的軽微なものに留まっている様子です。
このニュースに対しSNS上では、「スマホの進化が鈍化した今、次はどの分野が半導体を牽引するのか」「米中対立の余波がここまで具体的に数字に現れると恐ろしい」といった不安の声が広がっています。個人投資家の間でも、ハイテク株の先行きに対して非常に慎重な見方が強まっているといえるでしょう。
私は、今回の決算結果は単なる景気の波ではなく、技術の進化が政治的な駆け引きに翻弄される新しい時代の難しさを示していると確信しています。これからの半導体メーカーには、優れた製品を作る技術力はもちろんのこと、不安定な国際情勢を見極め、リスクを分散させる柔軟な経営戦略がこれまで以上に求められるはずです。
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