KDDIが7年ぶりの減益?2019年4〜6月期決算から読み解く通信業界の激変とスマホ乗り換えの今

日本の通信業界に激震が走っています。KDDIが2019年8月1日に発表した2019年4月〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期に比べて9%減少する1625億円となりました。4月〜6月期において利益が前年を下回るのは、実に7年ぶりの出来事です。売上高は1兆2461億円と前年を上回る結果を残していますが、利益面では苦戦を強いられた形となります。このニュースに対しSNS上では、「auでもついに減益か」「スマホ代金がこれからどうなるのか不安」といった驚きの声が数多く上がっています。

なぜ好調に見える通信事業で減益となったのでしょうか。その背景には、今秋に控えた楽天の携帯キャリア事業参入や、スマートフォンの販売ルールの抜本的な見直しが深く関わっています。KDDIは将来の競争激化を見越し、今のうちに顧客をしっかりと繋ぎ止めておこうと考えました。そのため、通常よりも多くの販促費を投入したことが、一時的に利益を圧迫する要因となったのです。攻めの姿勢を崩さないための先行投資であると言えますが、業界を取り巻く環境がそれだけ厳しさを増している証拠でもありますね。

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スマホ移行促進が利益を圧迫?「セット値引き禁止」を控えた駆け込みの背景

今回の決算で特に注目すべきは、営業利益を176億円も押し下げた端末販売コストの増加です。KDDIは現在、「ガラケー」として親しまれてきた従来型携帯電話からスマートフォンへの移行を強力に推し進めています。これに伴う端末の大幅な値引きやキャンペーン費用が膨らみました。一方で、その戦略が功を奏し、端末の販売台数は前年比5%増の195万台を記録しています。これは、将来的にデータ通信を多く利用するユーザーを確保するための、極めて合理的な戦略であると評価できるでしょう。

なぜこれほど急いで販促を強化しているのでしょうか。その理由は、2019年10月に施行される電気通信事業法の改正にあります。新ルールでは、通信料金と端末代金をセットで割り引く「セット販売」が事実上禁止されます。さらに、総務省は端末の値引き上限を2万円に制限する方針を打ち出しました。これまでのような「実質0円」といった過激な値引きができなくなるため、買い控えが起こる前に顧客を獲得しておきたいという、通信各社の切実な意図が透けて見えます。

非通信事業の躍進と2020年3月期に向けた強気の展望

通信事業がコスト増に直面する一方で、KDDIが推進する「非通信事業」は非常に勢いがあります。金融や決済サービス、さらには動画配信などのコンテンツ事業が好調に推移しており、収益の柱が多角化している点は見逃せません。決済サービスの利用者が着実に増えていることは、同社が目指す「ライフデザイン企業」への脱皮が着実に進んでいることを物語っています。単なる通信インフラの提供にとどまらない新しい顧客体験の創造こそが、今後のKDDIの生命線となることは間違いないはずです。

高橋誠社長は決算会見において、2020年3月期通期の業績予想は据え置くと明言しました。下期は法改正の影響で消費者の動きが鈍ると予測しつつも、上期にコストをかけて顧客を囲い込むことで、通期での増益は十分達成可能であると自信をのぞかせています。個人的な見解としては、通信料の値下げ圧力が強まる中、いかに決済や金融などの付加価値サービスで利益を積み上げられるかが、同社の未来を左右する鍵になると考えています。今後のスマホ市場の動向から目が離せませんね。

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