私たちの生活に欠かせないインフラである郵便サービスが、今まさに大きな転換期を迎えようとしています。2019年08月06日、総務省の有識者会議は、これまで当たり前だったハガキや封書などの「土曜日配達」および「翌日配達」を廃止することを認める報告書をまとめました。これはインターネットの普及による郵便物の激減や、深刻な物流業界の人手不足に対応するための苦渋の決断といえるでしょう。
日本郵便が以前から強く要望していた今回の見直しに対し、有識者会議は「サービスの安定的な提供を維持するために不可欠なステップである」との見解を示しています。SNS上では「土日に届かないのは不便になる」「急ぎの書類はどうすればいいのか」といった困惑の声が上がる一方で、「配達員さんの労働環境を考えれば妥当な判断だ」という労働環境の改善を支持する意見も多く見受けられました。
法改正のスケジュールと懸念されるハードル
政府は早ければ2019年の秋に開かれる臨時国会へ、郵便法改正案を提出する方針を固めています。順調に手続きが進み、国民への周知期間を経て施行されれば、早くて2020年中には土曜日のポストチェックが不要になる未来がやってくるでしょう。しかし、現在世間を騒がせている「かんぽ生命保険」の不適切販売問題が影を落としており、国会審議が予定通りに進むかについては不透明な情勢が続いています。
今回の報告書では、電子メールなどの普及といった社会情勢の変化を鑑み、配達頻度を減らしても「利用者の利便性が許容できないほど損なわれることはない」と結論づけています。たしかに緊急の連絡は今やデジタルで完結することがほとんどですが、それでも物理的な書類が届くスピードが遅くなることへの心理的な抵抗感は、決して小さくないはずです。
編集者の視点:効率化の先に求められる新しい郵便の形
筆者としては、この改革は時代の流れとして避けられないものだと考えます。物流コストが高騰し、担い手が不足する中で、旧来の「毎日・即日」という高品質なサービスを維持し続けることには限界が来ているからです。今回の改正は、単なるサービスの縮小ではなく、持続可能な物流ネットワークを守るための「守りの一手」としての側面が強いのではないでしょうか。
今後は、スピードを重視する「速達」や「レターパック」などのオプションと、時間をかけても安価に運ぶ「普通郵便」の使い分けがより明確になっていくことが予想されます。私たち利用者も、これまでのような「明日届くのが当たり前」という感覚をアップデートし、ゆとりを持ったスケジュールで郵便物を送るような、新しいライフスタイルに適応していく必要がありそうです。
コメント