スマートフォンを新調しようと考えている方にとって、今がまさに最大のチャンスかもしれません。2019年08月10日現在、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社による、端末価格の大幅な値下げ競争がかつてないほど激化しています。この異例とも言える値引きラッシュの背景には、2019年10月01日から施行される電気通信事業法の改正という大きな転換点が隠されているのです。
今回の法改正で最も注目されているのが、通信料金と端末代金を切り離して考える「完全分離プラン」の義務化でしょう。これは、これまで当たり前に行われてきた「2年縛り」などの通信契約を条件に、高価なスマートフォンの代金を大幅に割り引く商習慣を禁止するものです。SNS上では「今のうちにiPhoneを安く手に入れたい」「10月以降は端末が実質値上げになるのでは?」といった、ユーザーの焦りや期待が混ざり合った投稿が相次いでいます。
新ルール適用直前の駆け込み需要とメーカーの思惑
2019年10月01日の新ルール導入後は、端末購入に伴う利益供与、つまり値引きの上限が原則として「2万円」に制限されます。これまでは数万円単位、時には「実質0円」といった過激な還元も珍しくありませんでしたが、そうした手法は間もなく封印されてしまうでしょう。そのため各社は、規制が始まる前のこの夏、2019年08月から09月にかけて、何としてでも顧客を囲い込もうと躍起になってキャンペーンを強化しているのです。
実際に2019年04月01日から2019年06月30日までの第1四半期におけるスマートフォンの販売台数は、前年の同時期を上回る好調な数字を叩き出しています。業界内では、今の盛り上がりはあくまで「嵐の前の静けさ」ならぬ「嵐の前の大盤振る舞い」であるとの見方が強いようです。私も編集者としてこの状況を見ていますが、ルールが変わる直前に一気に在庫を掃かせようとする企業のパワーには、凄まじいものを感じざるを得ません。
販促費の増大と今後の市場に漂う懸念材料
一方で、この過熱した値引き競争は携帯キャリアにとって「諸刃の剣」でもあります。顧客を獲得するために多額の販売促進費、つまり広告宣伝やキャッシュバックの予算を投入しすぎているため、直近の収益が圧迫される事態に陥っているからです。企業としては短期的な利益を削ってでも長期的な契約者を確保したい考えでしょうが、この戦略がどこまで持続可能であるかは非常に不透明な状況だと言えるでしょう。
また、2019年10月以降に訪れるであろう「反動減」を心配する声も根強く囁かれています。今これほど多くの人が買い替えを行ってしまえば、秋以降に最新機種が登場しても、買い手がいなくなってしまうリスクがあるからです。消費者の利便性を追求したはずの「完全分離」という新しい仕組みが、皮肉にも市場の一時的な冷え込みを招く可能性は否定できません。今後の展開から、ますます目が離せなくなりそうです。
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