2019年7月1日、自動車業界の今後を占う重要なデータが発表されました。日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)のまとめによりますと、2019年1月1日から2019年6月30日までの上期における新車販売台数は、前年同期比でわずか0.8%増の275万3419台にとどまりました。2年ぶりのプラス成長ではあるものの、業界内では「期待していたほどの勢いがない」という戸惑いの声が広がっています。
今回の集計で注目すべきは、排気量が660ccを超える「登録車」の動きでしょう。2019年上期の登録車販売は0.2%増の173万5348台と、微増ながらも2年ぶりに前年を上回りました。特に普通乗用車については2.5%増の83万5224台を記録し、なんと過去最高の実績を更新しています。この躍進を力強く牽引したのは、近年日本国内でも爆発的な人気を博しているSUV(スポーツ用多目的車)の存在に他なりません。
具体的には、スバルの「フォレスター」やトヨタの「RAV4」といった車種が、市場で非常に高い支持を集めています。かつてファミリー層の定番といえばミニバンでしたが、現在は高い走行性能と優れた燃費を両立させたSUVが、その座を奪いつつあるようです。SNS上でも「最近のSUVは燃費が良くて、家族でキャンプに行くのにも最適」「デザインが格好いいから、街乗りでも自慢できる」といったポジティブな意見が目立っています。
軽自動車の進化と消費増税を巡る「駆け込み」の異変
一方、軽自動車市場も3年連続のプラス成長を維持し、1.8%増の101万8071台を記録しました。最近のトレンドは、コンパクトな車体ながら普通車に匹敵する「先進安全機能」を搭載したモデルです。2019年3月に登場した日産の新型「デイズ」や三菱の「eKワゴン」は、高速道路での運転をサポートする支援技術を軽自動車で初めて採用し、長距離ドライブを楽しむ層からも熱い視線を浴びています。
しかし、こうした好材料がある一方で、現場からは悲鳴に近い声も上がっています。2019年10月に予定されている消費税増税を前に、本来なら盛り上がるはずの「駆け込み需要」が全く見られないのです。前回の増税時には、半年前から販売台数が2桁増を記録するほどの狂騒曲が奏でられましたが、今回は6月を過ぎても市場は静観を保ったままです。この異例の事態に、日産系の販売店からも「需要の兆しが全くない」と困惑のコメントが出ています。
なぜ消費者は動かないのでしょうか。その背景には、増税後に実施される複雑な減税策があると考えられます。登録車にかかる自動車税の引き下げなどが予定されていますが、排気量や燃費性能によって「いつ買うのがお得か」という基準が細かく分かれているのです。消費者は賢くタイミングを見極めようとしており、結果として2019年下期の動向はプロの目から見ても予測不能な状況に陥っています。
メーカー別の成績に目を向けると、トヨタが4.4%増と独走する一方で、日産は6.9%減、品質問題に揺れたスバルは9.5%減と明暗が分かれました。モデルチェンジが重なったマツダも13.4%減と苦戦を強いられています。私自身の見解としては、単なる価格の安さよりも、燃費性能や高度な安全技術といった「車の本質的な付加価値」をいかに伝えられるかが、今後のメーカーの命運を分ける決定的要素になると確信しています。
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