2011年3月11日の東日本大震災、そして2016年4月14日に発生した熊本地震。未曾有の困難を乗り越えようとする被災地へ、日本中から温かいエールが届いています。そんな全国各地の「想い」を一粒の米に託し、一つの日本酒として結実させる壮大なプロジェクトが福島県で実を結びました。47都道府県すべてから厳選されたお米を使用して醸された特別な日本酒が、いよいよ2019年10月から一般販売されることが決定したのです。
このプロジェクトの集大成ともいえる純米大吟醸酒は「絆舞(きずなまい) 令和」と命名されました。2019年8月23日には、製造に携わった関係者が福島県庁を訪問し、内堀雅雄知事へ完成を報告しています。ひと足早くこの酒を口にした内堀知事は、全国から寄せられた真心を噛みしめるように、冷酒として味わいながらも、その奥にある人々の温もりを感じさせる見事な出来栄えに深く感銘を受けていました。
全国230の信用金庫が手を取り合う、地域密着型の支援プロジェクト
今回の取り組みは、東京都に拠点を置く城南信用金庫が中心となり、全国各地の約230に及ぶ信用金庫が手を取り合うことで実現しました。今年で3回目を迎えるこの活動は、単なる寄付活動に留まらない点が特徴です。日本酒の心臓部ともいえる「仕込み」や、熟成したもろみを絞り出す「搾り」の工程には、各地から集まった信用金庫の職員自らが参加し、文字通り汗を流しながら絆を紡いできたのです。
醸造の舞台となったのは、福島県会津坂下町に蔵を構える名門、曙酒造です。こちらでは120を超える地域から届いた多種多様な銘柄の米を、絶妙なバランスでブレンドするという極めて難易度の高い作業が行われました。通常、酒造りでは単一の銘柄を使用することが一般的ですが、あえて各地の米を混ぜ合わせることで、日本が一つになるという強いメッセージが込められているのでしょう。
ここで注目すべきは、お米の磨き具合を示す「精米歩合」です。今回は47都道府県に敬意を表し、47%という贅沢な磨きをかけています。一般的に精米歩合が50%以下になると「純米大吟醸」と呼ばれ、雑味が取り除かれた非常にフルーティーで華やかな香りが際立つようになります。まさに日本各地の輝きを磨き上げ、一滴の雫に凝縮した芸術品とも呼べる仕上がりになっているはずです。
SNSでも話題沸騰!10月1日の発売が待ち遠しい支援の輪
SNS上では既に大きな反響を呼んでおり、「地元の米が福島で酒になるなんて胸が熱くなる」「47都道府県ブレンドの味が想像できない、早く飲んでみたい」といった期待の声が続々と上がっています。また「お酒を飲むことが直接支援につながる仕組みが素晴らしい」と、消費者が気軽に参加できる社会貢献の形に共感する投稿も散見され、発売前から熱い視線が注がれています。
「絆舞 令和」は、500ミリリットル入りで1本2200円にて販売される予定です。特筆すべきは、その売上のうち100円が支援金として、被災地の復興に役立てられる点でしょう。お酒を愛する人にとって、その一杯が誰かの支えになるという喜びは、何物にも代えがたい付加価値となります。福島から発信されるこの力強い希望の光が、お酒を通じて日本中を優しく包み込む日を心待ちにせずにはいられません。
編集者である私個人としても、この「一滴に込められた多様性」に深い感銘を受けました。異なる土地で育った米が、福島の水と職人の技によって調和する姿は、まさに私たちが目指すべき共生社会の象徴ではないでしょうか。被災地の復興はまだ道半ばですが、こうした官民一体となったクリエイティブな支援が、新しい時代「令和」における復興の在り方を提示していると感じます。
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