デンソー有馬社長に直撃!CASE革命で「変われなければ破綻」と語る、巨大部品メーカーの生存戦略と危機感の正体

2019年08月27日、自動車業界は今、まさに「100年に1度」と言われる激動の渦中にあります。世界第2位の自動車部品メーカー、デンソーを率いる有馬浩二社長は、インタビューに対し、並々ならぬ危機感をあらわにしました。SNSでは「あのデンソーですら現状に満足していないのか」と、その姿勢に驚きの声が広がっています。

現在の業界を象徴するキーワードが「CASE」です。これは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字を取ったものです。車が単なる移動手段から、情報の拠点や街づくりの基盤へと進化する中、有馬社長は「社会全体が大きく変化するはずだ」と鋭く予測しています。

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巨大組織が抱える「スピード感」という壁

社会のニーズが激変する一方で、有馬社長は自社の現状を「ダメですね」と笑顔を交えつつも厳しく評価しました。特に課題視しているのが、意思決定と実行のスピードです。従来の組織構造では、確実な利益を生む既存事業に注力しすぎるあまり、将来の柱となる新しいビジネスモデルへの挑戦が後手に回りやすいというジレンマを抱えています。

この状況を打破するため、同社では半導体やセンサーといった重要テーマごとに、事業部の垣根を越えた「横断的組織」を構築しています。モノを売って終わりではなく、利用料で稼ぐような、これまでの常識を覆す仕組みづくりにも着手しているのです。変化を拒む姿勢こそが最大の敵であると、社長は自らに言い聞かせるように語りました。

また、欧州メーカーが内燃機関の開発中止を打ち出す中で、デンソーはあえて「エンジンを進化させる」という道も捨てていません。走れば走るほど空気がきれいになるような革新的なシステムの開発は、まさに逆転の発想と言えるでしょう。もちろん電動化にも全力で取り組み、2019年04月にはアイシン精機と新会社を設立し、開発を加速させています。

トヨタとの「忖度なし」の関係と未来への種まき

トヨタグループ内での再編が進む中、デンソーは中心的な役割を担っています。2019年06月にはトヨタの豊田章男社長が取締役に就任しましたが、有馬社長は「忖度は全くない」と断言します。センサー技術一つとっても、部品単位で考えるデンソーに対し、豊田社長は「車として最適か」という広い視点で助言をくれる、良きパートナーなのです。

有馬社長が最も恐れているのは、17万人もの社員が危機感を共有できず、変化を止めてしまうことです。そのため、40代前後の若手リーダーたちと直接対話する機会を設け、組織の風通しを良くすることに心血を注いでいます。5年後、10年後の破綻を防ぐためには、一人ひとりが「自分事」として変革に取り組む必要があると考えているからです。

2019年の入社式は、あえて閉鎖された歴史ある工場で行われました。モノづくりの魂を継承しつつ、ソフトウエアが主役となる新時代へ漕ぎ出すため、シリコンバレーや品川に研究拠点を設け、世界中の知恵を集めています。情熱と笑顔を大切にする有馬社長の挑戦は、これからのモビリティー社会のあり方を大きく変えていくことになるでしょう。

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