宮城県仙台市に本拠を置くセンコン物流が、新たな成長の柱として秋田県沿岸部で小型風力発電事業に乗り出すことを決定しました。同社は総額で約4億円という巨額の投資を行い、合計14基の発電機を設置する計画を進めています。2019年度内にはまず先行して4基の稼働を開始させる予定であり、物流や倉庫、車両販売に続く第4の収益源として、環境に優しいエネルギー事業を本格化させていく方針です。
今回のプロジェクトでは、秋田県内において小型風力発電の権利が付帯した土地をあえて選定して取得しています。まずは約6000平方メートルの広大な敷地を確保し、そこに中国メーカーから輸入した最新鋭の発電機を4基建設する流れとなりました。1基あたりの定格出力、つまり機械が安定して出し続けられる最大出力は19キロワットとなっており、見上げるような20メートルの高さの風車が秋田の空を舞うことでしょう。
この事業の大きな強みは、固定価格買い取り制度(FIT)を最大限に活用している点にあります。これは再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定める価格で電力会社が一定期間買い取ることを約束する仕組みです。今回は1キロワット時当たり55円という有利な条件で東北電力に売電するため、2019年度に稼働する4基だけでも年間で1300万円ほどの安定した売り上げが見込まれています。
SNS上では、物流企業がエネルギー事業へ進出することに対し「事業の多角化が非常にスピーディーで驚いた」という声や、「秋田の風を有効活用するのは合理的だ」といった肯定的な反応が寄せられています。特に小型風力発電は、大規模なものに比べて送電設備への負担金が抑えられる「低圧」区分であるため、参入のハードルが低い点も投資家たちの間で注目を集めているポイントと言えるでしょう。
物流業界は今、燃料価格の変動や人手不足といった課題に直面していますが、センコン物流のように安定収益が見込めるインフラ事業を持つことは、経営の安定感を劇的に高めるはずです。2013年から既に宮城や福島で太陽光発電を手掛けている同社にとって、今回の風力発電はまさに得意分野の拡大と言えます。まずは1、2年かけて実戦データを蓄積し、2020年度以降に残りの10基を順次稼働させるという堅実なステップも高く評価できます。
専門家の視点から見ても、秋田県沿岸部は日本屈指の好風域として知られており、風力発電には絶好のロケーションです。運送業で培った土地利用のノウハウを、こうした地球に優しいエネルギー創出に転換していく姿勢は、これからの時代の企業像として非常に魅力的ではないでしょうか。地域経済への貢献と共に、同社の収益構造がどのように進化していくのか、今後の展開から目が離せそうにありません。
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