2019年09月13日、日本のものづくりを支える川崎の地から、世界の半導体製造シーンを塗り替える画期的なニュースが飛び込んできました。伸和コントロールズ株式会社が、精密液体温度調節装置、いわゆる「チラー」の分野において、世界トップクラスの冷却性能を誇る新製品を開発したのです。SNS上では「日本の技術力がまた壁を越えた」「次世代チップの製造には欠かせない存在になる」といった期待の声が早くも広がっています。
今回発表された「クライオハイ」という装置は、半導体を作る過程で不可欠な温度管理を担う、いわば心臓部のような存在です。特筆すべきは、マイナス70度という極低温の世界において、11キロワットという圧倒的な冷却能力を叩き出した点でしょう。チラーとは、冷却水を循環させて対象の温度を一定に保つ装置のことですが、これほど厳しい低温域で二桁の大出力を実現した例は他に類を見ず、技術者たちの間で驚きを持って迎えられています。
これまでの市場では、他社製品を含めてもマイナス70度に対応できる装置のパワーは5キロワット程度が限界とされてきました。しかし、伸和コントロールズは今回、独自の「トリプルステージシステム」という革新的な冷却機構を開発することで、従来の2倍以上という異次元のパフォーマンスを達成したのです。冷却の仕組みを3つの段階に分けるこの巧妙な設計こそが、不可能を可能にした魔法の鍵と言えるのではないでしょうか。
対応可能な温度の幅も広く、極寒のマイナス70度からプラス50度までを一台でカバーする汎用性の高さには脱帽します。これほどの高出力を備えながら、設置面積をわずか0.82平方メートルという非常にコンパクトなサイズに抑えた点も、現場のニーズを熟知した素晴らしい工夫です。限られた工場のスペースを有効活用できる設計は、最新鋭の工場ラインを構築しようとする半導体製造装置メーカーにとって、喉から手が出るほど魅力的なはずです。
伝統のバルブ技術が生んだ精密温度制御の新たな夜明け
伸和コントロールズの歩みを振り返ると、1962年に伸和工業として産声を上げて以来、一貫して「制御」の道を突き進んできたことが分かります。創業当初に培った電動バルブや電磁弁の精密な生産技術が、1980年代から参入した温度調節装置の分野で大きな花を咲かせました。長年積み重ねてきた流体制御のノウハウがあったからこそ、この「クライオハイ」というモンスターマシンを生み出すことができたのでしょう。
編集部としての私見を述べさせていただければ、この開発は単なるスペックアップに留まらない、日本の産業界にとって極めて重要な意義を持っています。半導体の微細化が進む中、熱制御の成否は製品の歩留まりに直結します。世界が次世代技術の覇権を争う2019年というこの時期に、圧倒的なアドバンテージを持つ装置が登場したことは、国内の半導体エコシステムを底上げする強烈な追い風になると確信しています。
今後は、国内外の主要な半導体製造装置メーカーへの積極的な提案が行われる見通しです。川崎の一企業が放つ熱い(そして極めて冷たい)技術の結晶が、世界のデジタル社会を裏側から支えていく姿を想像すると、胸が高鳴ります。技術の継承と革新を両立させた同社の挑戦は、これからますます加速していくことでしょう。これからの展開から、一瞬たりとも目が離せそうにありません。
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