信州の経済を支える大切な基盤である中小企業が、今、大きな岐路に立たされています。2019年09月26日、長野県松本市に本拠を置く松本信用金庫は、深刻化する後継者不在の問題を解決するため、経営コンサルティング大手であるインクグロウ株式会社との業務提携を電撃的に発表しました。この試みは、廃業の危機に瀕する企業を守り抜くための強力な一手となるに違いありません。
今回の提携の核となるのは、インクグロウが運営する「事業引継ぎ.net」という画期的なシステムです。これは、会社を誰かに譲りたいと考える「譲渡側」と、新たな事業を手に入れたい「譲受側」の情報を、全国の提携金融機関が安全に共有するプラットフォームです。SNS上でも「地元の名店や技術が消えるのは寂しい」「信頼できる信金が動いてくれるのは心強い」といった、地域住民からの期待の声が続々と上がっています。
そもそも「事業承継」とは、会社の経営権や理念、資産を次の世代へ引き継ぐことを指しますが、親族内での後継者が見つからないケースが急増しています。今回の仕組みでは、金融機関のみがアクセスできる専用システムを用いることで、高度な情報の秘匿性を確保しています。大切な会社の売却を検討している経営者にとって、身近な相談相手である信用金庫が窓口となり、秘密裏にマッチングを進めてくれる安心感は計り知れません。
広域ネットワークが創り出す新しいM&Aの形
具体的な流れとしては、提携する金融機関が自社の顧客から売却・買収の希望を募り、システムに登録します。条件が合致する案件が見つかれば、金融機関同士が水面下で交渉を開始し、成約時に初めて手数料が発生する仕組みです。2019年08月からは北陸や静岡県の6つの金融機関も同システムに参加しており、松本信金が加わることで、地域を越えたダイナミックなビジネスマッチングが期待できるでしょう。
インクグロウ社は、今後1年以内に登録企業数を1万社以上に増やすという野心的な目標を掲げています。私自身の見解としても、一刻を争う廃業問題に対し、点ではなく「面」で支援するこのネットワーク化は極めて合理的だと感じます。これまでは各銀行が抱え込んでいた情報がオープンになることで、思いもよらない異業種間でのシナジー(相乗効果)が生まれ、地域経済が活性化するシナリオが容易に想像できます。
松本信用金庫の担当者が語るように、金融機関ならではの「情報のガードの堅さ」こそが、デリケートな問題を抱える経営者の背中を押す最大の武器になるでしょう。伝統ある技術や地域の雇用が、後継者不足という理由だけで失われる時代は、この2019年09月26日の提携を機に終わりを迎えるのかもしれません。地域に根ざした金融機関がデジタルを駆使して未来を拓く、その挑戦から目が離せませんね。
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