川遊びの死角に潜む恐怖!高槻市・芥川の悲劇から学ぶ「河川構造物」の危険性と命を守る新常識

2019年09月07日の午後、大阪府高槻市の芥川で、幼い命とその家族が失われるという痛ましい水難事故が発生しました。川遊びを楽しんでいた小学生のきょうだい3人が流されたボールを追って溺れ、助けようとした祖父も犠牲になるという、あまりに悲劇的な結末に、日本中に衝撃が走っています。SNS上でも「川の怖さを再認識した」「ライフジャケットさえあれば防げたのではないか」といった、悲しみと警鐘の声が数多く寄せられているのが現状です。

大阪府茨木土木事務所が事故現場を調査したところ、そこには幅・奥行きともに約10メートル、水深は深い場所で約2メートルにも達する巨大な「くぼみ」が形成されていました。実は、この現場からわずか10メートルほど上流には「落差工(らくさこう)」と呼ばれる、河川の勾配を調節するための段差構造物が存在していたのです。この段差によって生じた激しい水流が、長い年月をかけて川底を激しく削り取り、一見すると穏やかに見える水面の下に深い落とし穴を作り出したと考えられています。

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水面に隠れた「殺人構造物」の正体とは?データが示す驚愕の真実

公益財団法人「河川財団」が2003年から2018年までの全国の水難事故2828件を分析した結果、全体の約16%にあたる460件が、こうした河川構造物の付近で発生していることが判明しました。構造物とは、前述した落差工のほか、水の流れを制御するために川を横断して設けられる「堰(せき)」、橋を支える「橋脚」、消波ブロックなどを指します。これらは治水のために不可欠な存在ですが、同時に川の流れを複雑に変え、予測不可能な急流や深い渦を生み出す危険地帯でもあるのです。

同財団の専門家は、構造物の下流は水の勢いで深い「深み」ができやすく、一度足を取られると大人でも大量の水を飲み込んでパニックに陥ると警告しています。さらに衝撃的なのは、今回のように溺れた人を助けに向かった「救助者」が命を落とすケースが、実に71.7%にも上るという事実でしょう。誰かが溺れた際、十分な装備なしに飛び込むことは、二次被害を招く極めてリスクの高い行為であることを、私たちは改めて肝に銘じなければなりません。

「安全な川はない」という覚悟。編集部が提唱するこれからのレジャーの在り方

水難学会の斎藤秀俊教授が語る「日本に安全に遊べる川はほとんどない」という言葉は、決して大げさな表現ではありません。自然の川は、一瞬にしてその表情を変える生き物のようなものです。今回の事故現場は「親水施設」として整備され、子どもたちが魚と触れ合うことを推奨する看板まで設置されていました。自治体側も2019年09月26日までに114箇所の緊急点検を行い、新たに注意喚起の看板を設置するなど対策を急いでいますが、ハード面の対策だけでは限界があるのも事実です。

編集部としては、川遊びを全面的に禁止するのではなく、一人ひとりが「川は本質的に危険な場所である」という正しい知識を持つことが最優先だと考えます。川に入る際は、水深に関わらずライフジャケットの着用を義務化し、流された際も慌てずに浮いて待つ訓練を親子で行うべきでしょう。行政の看板を過信せず、自らの命は自ら守るという主体的な意識を持つことが、悲劇を繰り返さない唯一の道ではないでしょうか。

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