国内粗鋼生産は6期連続マイナスへ。2019年10〜12月期の鋼材需要を揺るがす「製造業の停滞」と「増税の影」

日本の基幹産業を支える鉄鋼業界に、いっそうの逆風が吹き荒れています。経済産業省が2019年10月08日に発表した予測によると、2019年10月から12月期における国内の粗鋼生産量は、前年の同じ時期と比べて0.1%減少する2568万トンにとどまる見通しとなりました。これにより、生産量が前年割れを記録するのは、なんと6四半期連続という異例の事態に陥っています。

「粗鋼」とは、鉄鉱石などを溶かして不純物を取り除き、まだ加工される前の鋼(はがね)の状態を指す言葉です。いわば「産業のコメ」の原材料とも呼べる存在ですが、この生産が落ち込んでいる背景には、主要な出荷先である製造業の深刻な冷え込みがあるでしょう。特に日本のお家芸である自動車生産や、工場で使われる産業機械向けの需要が足元で大きく減少していることが、今回の予測に色濃く反映されています。

さらに、2019年10月01日から実施された消費税増税も大きな懸念材料です。増税直前の駆け込み需要が落ち着いた後の「反動減」による買い控えの影響が懸念されており、経済産業省もこのマイナス要因を慎重に織り込んでいます。SNS上では「車の納期や機械の受注が目に見えて鈍っている」「景気後退が現実味を帯びてきた」といった、現場の先行きの不透明感を嘆く声が数多く寄せられていました。

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編集者が見る「鉄鋼不況」の深層と今後の展望

私個人の見解としては、今回の連続マイナスは単なる一時的な調整局面ではなく、世界的な経済減速の波が日本の製造業の根幹を揺さぶり始めている兆候だと感じます。鉄鋼メーカー各社は、これまで高付加価値な製品開発で対抗してきましたが、需要そのものが蒸発してしまっては厳しい戦いを強いられるでしょう。今後は、内需の回復を待つだけでなく、より機動的な生産体制の再構築が求められるはずです。

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